ペトロブラス=油田開発の活性化を約束=マギダ新総裁が初会見で=赤道直下探査にも前向き

27日、ペトロブラスのマギダ・シャンブリアール新総裁が就任記者会見を行った。マギダ新総裁は今後の抱負として、油田開発を活性化させていくことを挙げた。同日付フォーリャ紙(1)(2)が報じている。
マギダ氏は前任のジャン・ポール・プラテス氏が解任された14日にルーラ大統領から指名された後、24日の経営審議会で承認を受け、正式にペトロブラス総裁に就任した。
マギダ氏は、2024年第1四半期のペトロブラスの収益が2023年同期や前期比で大幅減となり、23年度の特別配当の支払いを巡って連邦政府やアレッシャンドレ・シルヴェイラ鉱山動力相とプラテス氏が対立した後を受けて指名された。加えて、過去8年間で9人目の総裁が、それも異例の速さで承認・就任など、連邦政府による人事介入の印象を強く与え、ペトロブラスの株価も下がるという流れの中での就任でもある。
マギダ氏は国家原油庁(ANP)長官時代(2012〜16年)に油田開発と入札を推進したことでも知られており、今回の会見でも「油田開発を加速化させることは私たちの使命」と語っている。
新総裁は油田開発の候補として、アマパー州フォス・ド・アマゾナス(アマゾン川河口)やリオ・グランデ・ド・スル(RS)州ペロタス沖の海底油田の名を挙げた。さらに、北部地区の油田探査の許可問題についても、国家エネルギー政策審議会(CNPE)によって解決されることを願うと語った。
フォス・ド・アマゾナス油田の探査は環境省や社会団体も巻き込んだ問題となり、社会的関心が高まっている。同油田は赤道近くにあり、アマパー、パラー両州にまたがる海底に広がっており、アマパーと国境を接するフランス領ガイアナ沖にもつながっていることや、豊かな生態系を持つ海域の環境破壊の懸念があることから、国立再生可能天然資源環境院(Ibama)が探査・開発の認可を拒否していた。
フォス・ド・アマゾナスに対しては、シルヴェイラ鉱山動力相がかねてから開発に積極的な姿勢を示しており、新総裁も基本線では同じ考えだ。ただ、マギダ氏は今回、「この議論はブラジル社会への貢献を考慮し、社会の目が届く場所でしっかりと行わなければならない。一つの機関だけで議論を行っていては、社会全体が損をすることになる」と、慎重な物言いを行っている。
また、ペロタス沖の油田に近いRS州が大水害の被害に遭っていることに関しては、「あのような自然災害はいつでも起こり得ること」で「プレ・サル(岩塩層下の油田)の開発はRS州の自然災害を悪化させる理由にはならない」と明言し、開発そのものによる環境破壊を否定した。
マギダ氏は特別配当の支払い問題についても、2023年分の残り(50%)も支払うよう命じられたとし、「一刻も速く迅速に対応したい」と答えている。
マギダ総裁は燃料価格に関しても、プラテス前総裁同様、国際市場価格の変動に合わせるのではなく、国内価格をあまり動かさない路線を継承したいとの意向を表明している。