デング熱=半年で4250人が死亡=SARS患者は増加傾向

【既報関連】今年はデング熱が猛烈な勢いで拡大し、疑似症患者数、死者数などで新記録を更新中だが、ピークを越えた今も週当たりの疑似症患者数は史上最悪だった昨年の倍以上で、上半期の疑似症患者数は615万9160人、死者は4250人、死因を確認中の死者も2730人に達したと1日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
今年上半期のデング熱罹患率は人口10万人あたり3033人、致死率は0・07だった。また、疑似症患者の54・8%は女性だった。

肌の色別では、白人49・6%、褐色42・5%、黒人6・2%、先住民族0・3%で、人口の過半数を占める黒人と褐色を白人が上回った。年齢別に見ると、20~29歳が最も多く、30~39歳、40~49歳がそれに続く。
10万人あたりの罹患者数(罹患率)最多は連邦直轄区の9626人で、ミナス州8035人、パラナ州5478人、サンタカタリーナ州4607人、サンパウロ州4301人と続く。疑似症患者数はサンパウロ州の190万人超が最多で、ミナス州160万人、パラナ州62・68万人、サンタカタリーナ州35・06万人、ゴイアス州30・15万人と続く。
秋から冬にかけては感染速度が落ちるが、保健省公式サイト(2)によると、1日現在の疑似症患者数は621万5196人で5万6036人増、死者は4269人で19人増、死因確認中の死者は2737人で7人増と気を許せない状態が続いている。
他方、冬に増えるのは重症急性呼吸器疾患(SARS、ポ語はSRAG)だ。6月27日アジェンシア・ブラジル(3)によると、オズワルド・クルス財団は同日付のInfoGripeで、6月16~22日(感染学上第25週)はアマパー、セアラー、エスピリトサント、マット・グロッソ・ド・スル、パラナ、ピアウイ、リオ・グランデ・ド・スル、リオ、ロライマ、サンパウロの10州でSARS患者が増えていると報じた。第25週の数字は6月24日までにシステムに登録されている。
この増加はA型インフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ライノウイルスによるもので、中南部地域ではほとんどの州で感染拡大が再開したという。また、アマパー、ロライマ、セアラーなどの北部の州の一部では幼児でRSV増加が継続中だが、全国的に見たSARSは、長期(6週間)、短期(3週間)共、安定しているという。
新型コロナ感染症はかなり低レベルだが、セアラー州の高齢者ではSARSが入院の主な原因だった。北部と北東部の一部でも新型コロナの感染症の影響が確認されており、これらの地域の病院とインフルエンザ症候群対策部門は今後数週間の動向に注目する必要があるという。
感染学上の22~25週に報告されたSARS患者の検査で陽性反応が出たウイルスは、A型インフルエンザ22・6%、B型インフルエンザ0・8%、RSV37・2%、新型コロナウイルス6%。SARSによる死者で陽性反応が出たウイルスは、A型インフルエンザ47・1%、B型インフルエンザ0・3%、RSV21・5%、新型コロナウイルス22・4%だった。