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上院=バイオ燃料の混合率拡大へ=ガソリンに最大35%まで

2024年9月7日

「エネルギー変換:未来への燃料」計画に関する講演中のルーラ大統領(4日付オ・グローボの記事の一部)
「エネルギー変換:未来への燃料」計画に関する講演中のルーラ大統領(4日付オ・グローボの記事の一部)

 上院が4日、化石燃料の環境への影響緩和と持続可能性向上のためにガソリンやディーゼル油へのバイオ燃料の混合率を変更する「未来の燃料法案」を承認。上院が変更を加えたため、法案は下院に差し戻されるが、これによりサトウキビや大豆の需要が増すと4日付オ・グローボなど(1)(2)が報じた。

収穫を待つサトウキビ(Divulgação)
収穫を待つサトウキビ(Divulgação)

 同法案でのガソリンへのエタノール混合率は27%だが、行政府の判断で22~35%の幅を持たせることができる。現在の混合率は18~27・5%だ。
 ディーゼル油へのバイオディーゼルの混合率は今年3月に14%となったが、25年3月から1%ポイント(PP)ずつ引き上げ、30年には20%とする。
 また、再生可能なバイオマスだけを使うグリーンディーゼルの最低使用量は国家エネルギー政策審議会(CNPE)が37年までに義務付けることになっているが、その割合は年3%未満だという。
 天然ガスの供給もバイオメタンの購入を増やすことで削減を図る予定だし、航空燃料も、航空機用の持続可能燃料(SAF)の混合率を27年から1PPずつ高め、温室効果ガス排出量の削減を図る予定だ。
 同法案では二酸化炭素を地層貯留層に注入するプロセスに関する基準確立についても定めており、国内法に基づいて設立され、国内に本社と管理機関を置く企業や企業体は国家原油庁(ANP)に活動許可を求めることができる。地層貯留の規制制定と監視は同庁が担当する。
 上院は、太陽光発電のための投資に対する補助金の期間延長なども承認した。
 同法案は下院での再審議と承認が必要だが、法案審議の進展は、サトウキビや大豆などの需要増と農家への支援強化、ペトロブラス社に脱炭素化を迫る動きの高まりを意味する。
 ブラジルは早い時期からエタノールだけで動く車やガソリンとエタノール両用車の製造など、バイオ燃料消費者としての地位を確立しており、バイオ燃料の生産も強化されるはずだ。
 専門家は、同法案によりガソリンの消費量は最大11%減り、エタノールの需要が年13億リットル増すと見ている。この量は現在のエタノール生産量の4%近く、エタノール需要の落ち込みで悩まされていたライゼンやサンマルチーニョなどには朗報だ。
 同法案は、大豆の加工場を増やし、バイオディーゼル生産量国内最大を誇るCargillのような企業や、大豆やトウモロコシの生産者にとっても朗報だ。
 バイオ燃料の生産にはサトウキビも使われており、今後の需要増がどの位の影響を与えるかが注目されるが、製糖部門への影響は限定的と見られている。
 サトウキビやトウモロコシ、大豆の収量は気候や火災などの影響も受けるが、気候変動への影響が大きい化石燃料の依存度を減らす意味でも、価格や供給の安定が課題となる。
 8月下旬に起きたサンパウロ州内陸部での大規模火災は一例で、サトウキビ畑が被害を受けたことで市場がサトウキビやエタノール、砂糖の生産量減少を見込んだため、エタノール価格が上昇。エタノールの供給量が予想より早く落ち始めることも懸念されている(2日付マネー・タイムスなど(3)(4)参照)。


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