新人権相にマカエー氏=MG州の黒人女性州議=前任のセクハラ問題究明へ

ルーラ大統領(労働者党・PT)は9日、シルヴィオ・アルメイダ氏に代わる人権相として、ミナス・ジェライス州州議のマカエー・エヴァリスト氏(PT)を指名、マカエー氏も受諾した。同日付フォーリャ紙(1)が報じている。
前任のアルメイダ氏は、アニエレ・フランコ人種平等相をはじめとした女性たちに対するセクハラ疑惑が相次いで発覚し、6日付で解任された。
後任が決まるまでの間はエステル・ドウェック管理革新相が兼務という形でつないでいたが、ルーラ大統領は9日、マカエー氏を大統領府に呼んで会談を行った。会談にはPT党首のグレイシ・ホフマン氏も参加した。
この会談後、ルーラ氏はインスタグラムで、マカエー氏が人権相となることで話がまとまったことを報告した。大統領は、「彼女が引き受けてくれて嬉しい」と、喜びを語っている。グレイシ氏も、「青少年のための人権と教育のために戦ってきた黒人女性を大統領が選んだ」と賞賛した。
正式な任職には州議の休職手続きと連邦政府官報での公示が必要なため、正式就任はそれからとなるが、マカエ―氏は同日中に人権省に赴き、同省局長らと会っている。
マカエー氏は2005~12年にミナス・ジェライス州州都ベロ・オリゾンテの教育局長、2015~18年にはミナス・ジェライス州の教育局長を務めた。2013~14年にはジウマ政権で教育省傘下の識字多様包括継続局の局長を務めている。
同氏は19歳で教員になって以来、教育畑でキャリアを積んできたが、2022年の統一選挙でミナス・ジェライス州州議選に出馬し、当選していた。
マカエー氏の人権相としての当面の課題は、アルメイダ氏のセクハラ疑惑解明と見られている。これに関しては、マカエー氏自身も「しっかりと究明して行きたい」との抱負を語っている。
その背景にはアルメイダ氏のスキャンダルがボルソナロ前大統領一派による連邦政府攻撃の材料に使われ始めているからだ。ボルソナロ氏や長男フラヴィオ上議はこのスキャンダル発覚後にすぐ、関連記事を拡散。自身が大統領時代に連邦貯蓄銀行(CAIXA)のペドロ・ギマリャンエス頭取がセクハラ疑惑でメディアや当時の野党から批判の対象にされたことへの報復を狙っているようだ。
また、アルメイダ氏は同件での無実を主張。連邦政府内にも擁護派が少なくないため、内紛の可能性を秘めてもいる。
なお、マカエー氏に関しては、エスタード紙が、同氏がベロ・オリゾンテの教育局長時代に公立校のユニフォーム購入時の過払い疑惑で訴訟が起きたこと、2015〜18年のミナス・ジェライス州教育局長時代には生徒用の机の購入で同様の訴訟を受けていたことを報じた。
マカエー氏はそれに対し、ユニフォーム購入は教育局とは別の入札委員会の管轄で、自身とは直接関係がなかったと弁明。州局長時代の件は、州検察局も過払い額を明示していなかったが、13件の訴訟を終わらせるため、州検察局の命令に従って2022年に1万400レアルの罰金を支払ったと釈明している。(2)