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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(9)

2024年9月13日

 ファゼンダ側も、開明的な人物が経営する所は、施設を近代化し労働条件を改善した。が、それはごく一部で、その他は止むを得ず奴隷の使役を止めただけで、近代化や改善への意欲は稀薄だった。
 そういう感覚は、移民の導入を事業とした移民会社も同じだった。誠実な仕事ぶりではなかった。
 その仕事は、まず州政府に「船賃補助つき移民導入枠」を申請することから始まる。枠(人数)が交付されると、送出国側の同業者と組んで、移民の募集・輸送をする。移民から徴収する手数料が彼らの収入であった。
 ところが、それとは別に、移民の海上輸送を担当する船会社と裏で交渉、州政府からの船賃補助分の...

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