site.title

ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(13)

2024年9月19日

 草創期(4)

 一年近く経って一九〇七年三月、後任の公使が着任した。さらに半年後、水野が日本から戻った。
 十一月、漸く移民契約が、農務長官と水野の間で成立した。州法の改正は済んでおり、ハワイやペルーの日本移民の調査もすんでいた。
 南樹の勤勉さとポルトガル語の習得ぶりも、農務局の役人たちに好感を与えていた。役人たちは、日本移民の受入れ準備のため、彼をサンパウロの移民収容所の職員に採用した。
 水野は急ぎ日本へ向かった。東京着が翌一九〇八(明41)年一月である。ここで、急ぎ……と書いたのは。━━
 実は右の契約の折、農務長官は移民のサントス入港を翌年四月...

会員限定

有料会員限定コンテンツ

この記事の続きは有料会員限定コンテンツです。閲覧するには記事閲覧権限の取得が必要です。

認証情報を確認中...

有料記事閲覧について:
PDF会員は月に1記事まで、WEB/PDF会員はすべての有料記事を閲覧できます。

PDF会員の方へ:
すでにログインしている場合は、「今すぐ記事を読む」ボタンをクリックすると記事を閲覧できます。サーバー側で認証状態を確認できない場合でも、このボタンから直接アクセスできます。

Loading...