違法賭博捜査=疑惑の宴に知事と最高裁判事=逃亡夫婦へのそれぞれの見解は?=リマの逮捕命令は却下に

【既報関連】セルタネージャの人気歌手グスタヴォ・リマに24日に出されていた違法賭博捜査対象者の国外脱出援助の嫌疑での逮捕状は同日内に裁判所判断で取り消された。この件では、逃亡した賭博企業家夫妻が参加し、国外脱出に利用された可能性があるギリシャでのリマの誕生パーティに最高裁判事や州知事が参加していたことも注目されている。25日付フォーリャ紙(1)などが報じている。
SNSで4千万人以上のフォロワーを誇る国内屈指の人気歌手リマへの逮捕状は、国内を騒然とさせた。令状発行は、賭博企業「ヴァイ・デ・ヴェット」を運営するアンドレ&アイスラ・ロシャ夫妻を、逮捕状が出された状況でギリシャに逃亡させた嫌疑を持たれたためだ。リマ自身は24日未明にグアルーリョス空港から米国フロリダ州マイアミに渡航。その数時間後にペルナンブッコ州地裁から逮捕状が出、逃亡行為と判断された。
事の発端となったのは、今月3日、ギリシャでリマの誕生パーティが開かれたことだ。リマはこのパーティのため、自家用ジェットに知人100人を乗せ、ギリシャに渡航した。
「ヴァイ・デ・ヴェット」を舞台とした違法賭博、資金洗浄の嫌疑でファッション・インフルエンサーのデオラネ・ベゼーラ容疑者が逮捕され、ロシャ夫妻に逮捕状が出たのは翌4日だ。違法賭博では30億レアルの巨額の資金洗浄が行われていたとされ、注目を集めていた。
また、誕生パーティにゴイアス州のロナウド・カイアード知事(ウニオン)と、最高裁のカシオ・ヌーネス・マルケス判事が同席していたことも注目を集めた。そのことは4日の捜査の時点でも報じられていたが、ロシャ夫妻が帰国していないことが発覚し、リマに逮捕状が出たことで再度蒸し返された。
カイアード氏はロシャ夫妻と共にリマのギリシャ行き自家用機に乗っていた。同知事によると、捜査のことやロシャ夫妻への逮捕命令に関してはギリシャで耳にしており、夫妻に対し、「あなたたちはすぐに豪華客船を降りて国内の問題に対処すべきだ」と注意を促したという。だが、一行が7日に帰国した際、夫妻の姿はなかった。
だが、カイアード氏はリマへの逮捕状に関し、「飛行機に同乗した責任で逮捕状を出すのは無責任ではないか」と反発を示している。(2)
一方、カシオ判事は別便でギリシャに向かい、3日にパーティに合流している。同判事は「リマ氏がヴァイ・デ・ヴェットの広告塔を務めていることは知っていたが、この捜査の存在に関しては知らなかった」と語っている。同判事はイタリアでの学会に出席するため、4日に現地を後にしている。
最高裁は、リマへの逮捕命令を出したペルナンブッコ州地裁のアンドレア・カイアード・ダ・クルス判事が、命令の中でカシオ判事同席にも言及したことを問題視し、最高裁のイメージダウンに繋がらないかを不安視しているという。
結局、リマの逮捕令状は24日、同作戦の報告官を務めるペルナンブッコ州地裁のエドゥアルド・ギリオド・マラニョン判事によって却下された。フォーリャ紙の報道によると、市警側がリマを逮捕したがったが、検察側が反対する対立があったという。