マット・グロッソ州=対応車線侵入で運転手即死=弟が生存者2人を殺し逃走

ブラジル中西部のマット・グロッソ州の高速道で9月30日午後、対向車線に進入してトラックと正面衝突した乗用車の運転手が即死したが、事故直後に現場に到着した人物が事故車に乗っていた生存者2人を射殺した後、逃走するという事件が起きたと1、2日付G1サイト(1)(2)(3)が報じた。
軍警によると、事故が起きたのは同州州都のクイアバー市から154キロのノブレス市内を走る州道241号線、事故を起こして死亡した運転手は、オエスドラス・マルケス・アルーダ・サンタナ氏(29)だ。
サンタナ氏は対向車線を走っていた小型トラックと正面衝突し、即死したが、同乗者2人は、事故後に到着した人物から銃弾を浴びて死亡した。
軍警は、殺害者が最初からこの車を追跡していたのか、サンタナ氏が対向車線に進入したのが無理な追い越しをかけようとして起きたことなのか、何らかの理由で車線を変更する必要が生じたのかといった情報を明らかにできずにいるが、事故そのものは正面衝突で、衝撃は非常に大きかったと説明。小型トラックの運転手は重傷で、病院に搬送され、入院したが、2日の時点では生命の危険は脱したという。
軍警によると、サントス氏はサンパウロ州に本拠を置く麻薬密売組織の州都第一コマンド(PCC)の関係者で、麻薬の密売や殺人といった犯罪を繰り返していた人物だという。また、生存者2人を殺した後、軍警の追跡をかわして逃走したのはサンタナ氏の弟で、やはりPCCと関係があるジェセ・デ・アルーダ・サンタナ容疑者(23)と見られており、市警が行方を追っている。
サントス氏の車に同乗していて殺された2人の内の1人はカウアン・パトリッキ・ピレス・ダ・シルヴァ氏(21)と判明したが、2人目の被害者の身元はまだ判明していない。
警察は、同乗者2人が殺された背景には、同地域で起きている、PCCとそのライバルで、リオ州に本拠を置く麻薬密売組織のコマンド・ヴェルメーリョとの間の抗争が関係していると考えている。