アマゾニア州=干ばつによる水位低下=低水税徴収で物価が上昇

【既報関連】ネグロ川などの水位低下が早めに始まり、低水位記録も更新中のアマゾナス州では、川の水位低下故に徴収される手数料が物価の上昇も招いていると14日付G1サイト(1)が報じた。
少雨干ばつは全国的な問題で、北部は特に厳しい状況下にあるが、ブラジル地質調査所は、同州は観察開始以来の122年間で最悪の干ばつに直面しており、州内の62市全てが緊急事態に陥っていると強調している。
一例は工業地帯もあるマナウス市で、同市の港には貨物船が入れないため、同市にある港二つが隣のイタコアチアラ市を流れるアマゾン川の中程に初めての浮桟橋を設営。市民への食料品や工場が取り寄せた原材料や部品などは、浮桟橋に接岸した貨物船からより小型で軽いフェリーに移し、マナウス市に運んでいる。
ただ、こういった措置は代償が伴う。「低水税」とも「干ばつ税」とも呼ばれる料金徴収で物価が上昇しているのだ。運送会社はコンテナ1個につき最大3・2万レアルを請求。この額は史上最悪の干ばつだった23年の請求額の実質2倍の上、徴収は予定より2カ月早い8月に始まった。
商店主らは低水税を消費者に転嫁しており、アマゾン川に依存するロライマ州とアマゾナス州の住民は皆、低水税を上乗せした額を払って必要な品を購入し、生活しているのだ。
青空市で果物を売るフランシスカ・イザベル・ダ・シルヴァ氏は、同州特産のトゥクマンという果物の価格は倍になり、100レ/キロになったという。青空市でチーズを売るロゼミロ・リスボア氏も、チーズ価格は上昇続きで、年内に40~50レ/キロになると見ている。
州商店主組合会長のクラウジオミロ・カルヴァ―リョ・フィーリョ氏は、貨物船は低水位の川を航行するために貨物の量を減らしてイタコアチアラまで来るが、それを受け取るフェリーはさらに積み荷が少なくなるため、運航回数を増やして荷を運ぶ必要もあり、低水税の徴収や商品価格への転嫁は不可避だという。