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州都市長選=中道が21人と圧倒的多数=20人中16人が再選決める

2024年10月29日

決選投票で当選した女性州都市長2人(左からアドリアネ・ロペス氏、エミリア・コレア氏、© Pedro França/Agência Senado e Gilton Rosas/Divulgação)
決選投票で当選した女性州都市長2人(左からアドリアネ・ロペス氏、エミリア・コレア氏、© Pedro França/Agência Senado e Gilton Rosas/Divulgação)

 統一地方選の決選投票を終え、各政党は既に26年の統一選に目を向け始めているが、今回の統一地方選の特徴は中道勢力の躍進だろう。
 27日付G1サイト(1)によると、18年の大統領選を制したボルソナロ氏の自由党(PL)は今回の決選投票で15州都中4州都で当選者を出し、同党始まって以来の好結果を残した。他方、22年の大統領選を制したルーラ氏の労働者党(PT)は今回、1州都でしか当選者が出ず、再選を狙った市長も敗戦という結果を見た。
 これにより、26州都の市長はPL4人、PT1人で、残りの21市は全て中道か中道右派となった。この結果は、ブラジルの都市では政治的な二極化や過激主義とは程遠い世界が望まれていることを示している(27日付G1サイト(2)参照)。地方自治体全体を見ても、社会民主党(PSD)887人、民主運動(MDB)853人など、中道勢力の台頭が目立ち、医療や道路の穴、嵐の後の電力の有無といった日常問題の方が政治的イデオロギーや考え方より好まれることを示している。
 国政選挙との違いや中道、中道右派の台頭は、22年選挙でルーラ氏への投票率が高かった11州都で当選したPTや連立政党の候補が、パラー州ベレンのイーゴル・ノルマンド氏(MDB)、マラニョン州サンルイスのアリー・メネゼス氏(進歩党・PP)、ピアウイ州テレジナのDr.アンデルソン・フィーリョ氏(MDB)、セアラー州フォルタレーザのエヴァンドロ・レイトン氏(PT)、パライバ州ジョアン・ペッソアのシッセロ・ルセナ氏(PP)、ペルナンブコ州レシフェのジョアン・カンポス氏(社会党・PSB)の6人だけだったことでも分かる(27日付G1サイト(3)参照)。
 地方選でも性差は顕著で、今回当選した女性州都市長は、マット・グロッソ・ド・スル州カンポ・グランデのアドリアネ・ロペス氏と、女性同士の決選投票だったセルジッペ州アラカジュのエミリア・コレア氏の2人のみ。エミリア氏はアラカジュ初の女性市長だ。女性市長は全体でも13%の726人に終わっている(28日付G1サイトなど(4)(5)(6)参照)。
 再選候補の強さも目立ち、州都市長選では、前述のアドリアネ氏を含む20人が出馬し、16人が再選を果たした(27日付G1サイト(7)参照)。
 なお、9州都では市長選当選者が所属する政党が市議会でも過半数を占め、就任後の市政への積極的な支援が見込まれる(27日付G1サイト(8)参照)。また、サンパウロ州のタルシジオ知事(共和者・RP)とサンパウロ市のヌーネス市長(MDB)のように政党は違っていても、自分が推した候補が州都を制した知事は26人中10人で、2年後の知事選や大統領選などへの弾みをつけたと言えそうだ(27日付G1サイト(9)参照)。
 27日付G1サイト(10)によると、最も僅差で勝敗が決まった市はサンパウロ州リベイロン・プレットで、リカルド・シルヴァ氏(PSD)が50・13%(13万1421票)を得、49・87%だったマルコ・アウレリオ氏(ノヴォ)を687票差で破った。州都で最も僅差だったのは逆転勝利が起きたフォルタレーザ市で、レイトン氏が50・38%、アンドレ・フェルナンデス氏(PL)は49・62%で0・76%ポイント差だった。
 州都で最も差が大きかったパライバ州ジョアン・ペッソアでは、シッセロ・ルセナ氏(PP)の63・91%に対し、マルセロ・ケイロガ氏(PL)36・09%で、27・82%ポイントの差がついた。


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