最高裁=ジルセウ氏の罪状を無効に=LJでの23年の実刑判決も

最高裁のジウマール・メンデス判事は29日、労働者党(PT)の中心的な政治家だったジョゼ・ジルセウ氏のラヴァ・ジャット作戦(LJ)での罪状をすべて無効にする判断を下した。同日付G1サイト(1)が報じている。
メンデス判事が無効としたのは、1審にあたるパラナ州連邦地裁でLJ担当のセルジオ・モロ判事(当時)が下した判決だ。これには、ペトロブラスでの汚職計画の容疑などによる23年の実刑判決が含まれている。
LJに関しては、モロ判事が2017年の裁判で現大統領のルーラ氏に下した約9年間の実刑判決を、最高裁が2021年に「偏った判断だった」と判断して以来、連邦警察のスプーフィング作戦で押収された携帯電話の通話内容の捜査などとも相まり、判決が取り消されたり、裁判の管轄が移管されたりする例が相次いでいた。ジルセウ氏に関する訴訟も、最高裁に移されたものが2件ある。
ジルセウ氏は第1期ルーラ政権で官房長官だった2005年にメンサロン事件が発覚して辞任。2012年に組織犯罪などで有罪とされた後、LJでも有罪となっていた。同氏は78歳と高齢だが、2026年の下議選出馬で政界復帰を狙っているとの噂もある。
この判断後、モロ氏や、連邦検察庁パラナ州支部LJ主任だったデルタン・ダラグノル氏は、「無効にする理由など何もない」と強い憤りを示している。