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ENEM=432万人応募して73%受験=小論文テーマ「アフリカ遺産」

2024年11月5日

受験会場に入る学生たち(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)
受験会場に入る学生たち(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 3日、国内最大規模の大学入試でもある「国家高等試験(ENEM)」が開催された。毎年注目される小論文の主題は、「ブラジルでアフリカの遺産を評価する際の課題」だった。同日付フォーリャ紙(1)などが報じている。 ENEMは毎年、11月の第1、第2日曜日に行われる。今年も初日は例年通り、言語(ポルトガル語、英語またはスペイン語)、人文科学(歴史、地理など)が各45問と、小論文の三つの試験が行われた。
 中でも、小論文は全体の20%の比重を占め、得点の幅も0点~1千点と決め手となる科目であるため、受験生だけでなく、社会的にも関心の高いものとなっている。今年のテーマは「伯国でアフリカの遺産を評価する際の課題」というものだった。
 有名予備校「デスコンプリカ」の作文講師のロベルタ・パンサ氏は、今回の作文で必要な視点として、「ただ単に人種差別について書くことが求められているのではない。文学や文化を教えることの重要性をしばしば無視する社会組織や教育により、日の目を見ず、価値を下げられ続けてきた黒人の先祖たちの記憶や遺産について考える必要がある」と語り、「受験者たちはファンキやサンバ、黒人宗教など、自分にも馴染みのあることを通しての作文を行うだろう」と答えている。ブラジルでは、11月は黒人の意識高揚月間でもある。
 なお、昨年の小論文の課題は「ブラジルにおける女性による介護労働の見えにくさへの挑戦」というものだった。
 今年のENEMには432万人が応募登録を行い、その内73%が受験した。(2)去年の受験率は71%だった。受験会場は1153市で1万776カ所、教室数にして15万室に及んでいる。試験当日のアクシデントで受験できなくなる受験生が毎年いるが、今年はエスピリトサント州でエレベーターの故障で受験時間に間に合わなかった女子生徒がいた。交通機関のトラブルや指定された病気による遅刻や欠席の場合は、12月10、11日に追試が受けられる。(3)
 ENEMの2日目は10日に行われ、数学と自然科学(物理、化学、生物など)が行われる。


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