黒人の意識高揚の日=サンパウロ市で特別行事=劇やダンスなど60以上

「黒人の意識高揚の日」である11月20日は昨年、国の休日と決まり、サンパウロ市では60以上の特別行事を組んでこの日を祝うと6日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じた。
黒人の意識高揚の日は、奴隷制に反対した黒人達のコミュニティ(キロンボ)最大のリーダーだったズンビー・ドス・パルマレスが死亡した日を記念し、国家形成における黒人の重要性と奴隷制が人口の大部分を占める黒人やその混血であるパルド(褐色)に課した重みを考えるために定められた。
従来の黒人の意識高揚の日は任意休日だったため、アラゴアス、アマゾナス、アマパー、マット・グロッソ、リオ、サンパウロの各州と1200余りの市が休日としていたが、昨年、国の休日とすることが決まった。
サンパウロ州では11月を黒人の意識高揚月間に指定しており、様々な市が記念行事を予定。2004年からこの日を休日としてきたサンパウロ市はその一例で、60以上のイベントを開催する。
サンパウロ市での行事の一例は、22~24日の10~22時にアニェンビーの第3パビリオンで開催される第4回黒人の意識高揚の日国際エクスポだ。入場は無料だが、展示会への登録が必要だ。
市人権市民事務局(SMDHC)と連携した人種平等推進事務局も、各地区の人種平等参照・推進センターでイベントを開催する。
今年20周年を迎えるアフロ・ブラジル・エマノエル・アラウージョ博物館では、「アフリカの権力の歴史」「平民と平民達」「思考と再考・実行と再実行」の三つの展示を開催中。営業時間は火~日曜日の10~17時だ。同博物館によると、これらの展示は「何世紀にもわたる黒人の歩みとブラジル社会へのインパクトを認識しつつ、黒人が直面する課題を再現し、ブラジルの黒人達の闘争の軌跡を再考するものだ」という。
100年の歴史を持つピナコテカ博物館では、8月から2025年2月2日まで「頭と大地の間:伝統的なアフリカの織物工芸」を開催中。23日14~16時にはルス広場のピナ・ルスでの特別イベントも予定されている。
セー広場の隣のブラジル銀行文化センターでは1~25日に、「黒人の職業:過去を讃え、未来を創る」というテーマで一連の活動を行っている。プログラムの開始時刻は月、水、木曜が12時と17時、金曜が12時、土曜と日曜が17時となっている。参加者はチケットの受け取りが必要で、人数制限がある。
2日~12月1日は、サンパウロ文化センターとセルジオ・カルドーゾ劇場、ズンビー・ドス・パルマレス大学の3カ所で第1回サンバ・サンパウロ・ビエンナーレ(1ª Bienal do Samba SP)を開催中。展示や芸術的介入、サンバアーティストによるショー、講演、会話サークルや教育活動が行われており、入場無料。詳細はインスタグラムやフェイスブックで。
創立20周年となるズンビー・ドス・パルマレス大学では月間を通じたプログラムを開催中で、ラサ・ネグラ杯授与式やフリンクサンパ・フェア、反人種差別教育会議、レースとウオーク、サンバ会議その他のイベントと続く24時間プログラムの「ヴィラーダ・ダ・コンシエンシア」も予定されている(詳細はhttps://zumbidospalmares.edu.br/7a-virada-da-consciencia-2024-homenageia-zumbi-dos-palmares-e-os-20-anos-da-universidade-zumbi-dos-palmares/参照)。
セスキ・カーザ・ヴェルデでは12月22日まで、アフリカや先住民族の神話や文化についてより深く掘り下げることに興味のある人向けのテラ・デ・ギガンテス展を開催中。営業時間は火~金曜日が10時半~17時半で、土、日曜日と祝祭日は10時半~17時半だ。
市東部では5~9日に第7回ペーニャ文学祭を開催し、何十年もかけて美白プロセスを行った黒人作家のリマ・バレットを顕彰中だ。詳細はhttps://issuu.com/flipenha/docs/flipenha2024で。
サンパウロ市のイベントは市文化局のサイトに詳細が掲載されている。
サンパウロ・メトロポリタン地域(RMSP)ではオザスコ市やグアルーリョス市でも黒人の意識高揚月間の特別イベントを開催中だ(グアルーリョス市のプログラムはhttps://www.guarulhos.sp.gov.br/artigo/programacao-do-novembro-negro-comeca-na-segunda-feira-em-guarulhos参照)。