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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(66)

2024年12月6日

 すると、宮坂は「我々の同胞を見殺しにするのか」と強硬に交渉、遂に資金の引出しに成功する。 これが一九二三(大12)年のことである。
 この資金投入には、会社側から条件がついた。宮坂自身が現地へ乗り込み、マニラ麻の栽培を軌道に乗せ、融資を返済するまで留まるというものであった。
 宮坂はこれを承諾、かつ、やり遂げた。その実績を評価され、海外移住組合連合会の専務に引き抜かれ、念願のブラジルに赴任したわけである。
 大型・最新式の移住地建設を前任者から引き継いだ「ブラ拓の宮坂さん」は邦人社会から、新指導者として強く期待されていた。四十代の壮年期で、短身痩躯であったが...

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