農業の海賊版作戦=種子に着色し農家だます=被害額は2千万レアル超

サンパウロ州、バイア州、ミナス州、リオ・グランデ・ド・スル州の市警が4日、動物の飼料として使う大豆やトウモロコシに着色し、栽培用の高品質の種子と偽って暴利を稼いでいた犯罪者集団を摘発するための「農業の海賊版作戦」を遂行。バイア州西部のルイス・エドゥアルド・マガリャンエスで組織を指揮していたと思しき容疑者2人を逮捕したと4日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
リオ・グランデ・ド・スル州市警によると、犯罪者達は低品質の種子を高品質の種子と偽って高く売りつけたが、いくら撒いても発芽せず、2収穫期を棒に振った農家が続出。被害額は2千万レアルに及んでいるという。
犯罪行為が発覚したのは、リオ・グランデ・ド・スル州サンルイス・ゴンザガの農協が、同地域の農家で生じた被害を通報したためだ。
報告書によると、市内の種子仲介業者が高収量のトウモロコシ1500袋をトラック2台分提供。それを購入し、域内の生産者に転売したが、これらの種子は壁装材やモルタルに使う酸化鉄ベースの顔料で着色されたもので、収穫は完全に失われた。
その後の調べで、種子の細工はサンパウロ州とバイア州で行われていたことなどが判明。組織のトラックで運ばれた種子は先の4州だけでなく、マット・グロッソ・ド・スル州やトカンチンス州、ゴイアス州、連邦直轄区でも売りさばかれていたという。
先の被害額2千万レはトラック1台分で約180万レの被害として試算されたもので、22人が捜査対象とされ、44件の家宅捜査令状が出た。4日の逮捕者は2人だけだったが、車33台や武器、違法な農薬、着色用塗料、各種の文書、ノートブックなどが押収され、18の銀行口座が封鎖されたという。