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貿易収支=24年の黒字額25%減少=輸出の主流はアジアなどに

2025年2月13日

貿易収支黒字額の推移と24年の貿易収支黒字額上位国のリスト(12日付Valorサイトの記事の一部)
貿易収支黒字額の推移と24年の貿易収支黒字額上位国のリスト(12日付Valorサイトの記事の一部)

 24年のブラジルの貿易収支黒字額は前年を25%下回り、23年は貿易収支黒字上位10カ国中3カ国を占めたラ米諸国が姿を消すなど、交易相手や交易の内容に変化が生じていると12日付Valorサイト(1)が報じた。

地域毎の貿易収支黒字額(12日付Valorサイトの記事の一部)
地域毎の貿易収支黒字額(12日付Valorサイトの記事の一部)


 ブラジルの昨年の輸出額は前年を0・8%下回り、輸入は9%上回ったため、貿易収支黒字額は989億ドルから742億ドルに減少した。
 特に目立つのは、前年より貿易収支黒字額は落ちたが、アジアが1位を堅守した一方、23年は2位だった南米が中東諸国やアフリカ諸国に追い越され、4位に後退したことだ。
 貿易収支黒字額1位は中国の307億ドル(全体の41・4%)で、中国産自動車輸入額が23年比で3倍増など、中国が年末にブラジルへの輸出を加速化したこと、ブラジルでの収量減で大豆輸出が減ったこと、国際的なコモディティ価格の低下などで、前年の511億ドル(51・7%)を下回ったが、依然としてブラジル最大の貿易相手国のままだ。
 2位はオランダの94億ドル、12・7%で、23年の93億ドル、9・4%を上回った。3位はシンガポールの71億ドル、9・5%で、こちらも23年の65億ドル、6・6%を上回った。
 だが、23年の黒字額は全体の4・8%の47億ドルで4位だったアルゼンチンは2・01億ドルで60位、36億ドル、3・7%で6位だったチリは171億ドルで18位、30億ドル、3・1%で7位だったメキシコは20億ドルで15位に低下。27億ドル、2・7%で8位だったポルトガルと共に上位10カ国のリストから姿を消した。
 昨年の4位は60億ドル、8・1%のスペイン(前年は39億ドル、3・9%で5位)で、36億ドル、4・9%のアラブ首長国連邦、35億ドル、4・8%のカナダ、30億ドル、4・1%のエジプト、30億ドル、4・0%のイランが5~8位に新規参入。9位は28億ドル、3・7%のマレーシア(同26億ドル、2・6%で10位)、10位は26億ドル、3・5%のインドネシア(同26億ドル、2・7%で9位)だ。
 アルゼンチン相手の黒字激減は、同国が伝統的に購入してきた工業製品や23年は不作だった大豆(同年は20億ドルに達した輸入額が9千万ドルに激減)の輸入減少、ブラジルによる車の輸入増加などが原因だ。
 チリの黒字減少は原油などのコモディティ輸出が38%、輸出額全体が16・2%減った一方、銅の輸入増などで輸入額が14・8%増えたことによる。
 メキシコも工業製品の輸出が35%減る一方、自動車用部品や付属品が22・3%増加。輸出は9%減り、輸入は4%増えていた。
 25年はトランプ米大統領が仕掛けた関税闘争により、中国の輸出攻勢が強まり、世界の貿易バランスが変わる可能性がある。ブラジルはコモディティを軸とするアジアへの輸出を維持するが、米州諸国への工業製品輸出は中国製品に取って代わられる可能性が強まりそうだ。


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