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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(110)

2025年2月20日

 ただ、為政者の指導に従って、日本という国家を至上のモノとして愛し、天子様を崇拝し、日本は神国であり戦えば必ず勝つと信じる様になったに過ぎない。
 彼らは、その精神(こころ)を、遠いブラジルに渡っても、忘れることはなかった。子供にも、そう教えた。理由は簡単で、いずれ日本に帰るつもりでいたからである。
 祖国日本は躍進していた。明治の末には、朝鮮を併合、大正に入ると、第一次世界大戦に参戦、大陸や西太平洋上に版図を広げた。 
 もっとも、この段階では、邦人はそれを遠くから眺めて、感嘆していたに過ぎない。それ以上の関係はなかった。
 それが、一九三〇年代に入ると、...

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