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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(140)

2025年4月5日

 母が止めようとして兵隊にとびかかった。すると銃剣で突かれた。モモの部分を貫くほど!
 兵は去ったが、父親が『またやってくるに違いない。今度は殺されるかもしれない』と言うので、逃げることにした。
 すべてをつぎ込んだ棉を捨てて、バラ・ボニータを去った。その時のことを思い出すと、今でも悔しさに身体が震える」
 実際、この話の最中、七十六年も前のことであるのに、中野の形相は憤怒で歪み、コブシを握りしめた両腕が震えていた。 
 右の話の中に州警兵という言葉が出てくるが、州政府の公共保安局傘下の警察の一つである。
被害者のもう1人は木村きよみという。
 サンパウ...

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