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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(153)

2025年4月26日

 サントス駅からサンパウロへ汽車で送られた。一昼夜、一滴の水、一切れのパンも与えられず、漸く移民収容所について出された食事は、犬や豚に食わす様なモノで、嘔吐を催した。
 被収容者は次々と送り込まれてきて、たちまち千数百人になった。
 その後、逐次、釈放されたが、皆、サントスの自宅に帰ることは許されず、すべてを失い徒手空拳の境涯となった。それぞれ知人を頼って散って行った。
 以後の苦心は言語に絶した。
 実に鬼畜の仕業にて、憤慨措く能わざる扱いであった。
 自分は、出所後、サンパウロで知人を探し、小資本を得て、非日系人の店を借り、果物や日用品を扱った。
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