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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(165)

2025年5月15日

奇怪な襲撃事件、頻発

 先に触れた様に、戦時中、農業界は好況であった。特に繭や薄荷は、最高時には十倍近くまで値上がりし、生産者は大儲けをした。生産者は殆どが邦人だった。
 繭は生糸さらに絹糸に加工され、薄荷は精製され、米国に輸出されていた。 
この二つは戦前、日本が主たる生産国であったが、開戦で輸出が止まったため、ブラジル産への需要が強まり、値が高騰したのである。 
 ところが、ここで、奇怪な現象が頻発する。  
 夜間、養蚕舎が焼討ちされる、薄荷農場の畑が荒らされ作業場の蒸留装置が破壊される…といった襲撃事件である。
 一九四三年頃からである。
 加...

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