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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(175)

2025年5月30日

 肝心の終戦の日は、半田は風邪で高熱に襲われ寝ており、日誌には何の記述もない。
 それはともかく、ポルトガル語を解し、開戦以来、ポ語新聞を読んでいた半田ですら、かくの如くで、終戦直前までは、日本が巻き返すものと思い続けていたのである。
 ましてポ語を解せず、新聞も読んでいなかった大多数の邦人は、すでに日本のポツダム宣言受諾報が流れていた終戦時になっても、祖国の勝利を信じていた。
 日本型ナショナリズムの中で育ち、その熱風を浴びて来た人たちとしては、自然のことであったろう。

 正体不明の日本語ラジオ放送

 なお、右の半田日誌にある「八月十一日 …(略)…コン...

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