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ザンベッリ下議が国外逃亡=最高裁は国際重要指名手配=陸路で亜国経て米国滞在か

2025年6月5日

ザンベッリ下議(YouTube)
ザンベッリ下議(YouTube)

 最高裁から10年間の実刑判決を受けているカルラ・ザンベッリ下議(自由党・PL)が3日、ブラジルから出国して国外にいることを明らかにし、下議休職を求めた。連邦検察庁はこれを国外逃亡行為と見なし、逮捕状を請求。アレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事が4日にこれを承認し、国際指名手配となった。3、4日付G1サイト(1)(2)(3)が報じている。

 ザンベッリ氏は3日、自身のユーチューブのチャンネルから、「数日前からブラジルを出て国外に滞在している。病気の治療を受けるつもりで、(下議を)休職させてもらうつもりだ」と語った。
 同氏は米国に滞在して下議を休職中のエドゥアルド・ボルソナロ下議(PL)に言及し、「憲法には下議休職は可能と記されている。エドゥアルド氏がそうしたので、最近では国民にも認知され始めていると思う」と語った。
 ザンベッリ氏は5月14日、2023年1月に起こった国家法務審議会(CNJ)のコンピューターへのハッキングを命じた嫌疑での最高裁第1小法廷での裁判で、判事5人の満場一致で10年間の服役と下議の任期剥奪という判決を受けた。このハッキングでは、モラエス判事への虚偽の逮捕請求が混入されていた。この裁判結果に対し、ザンベッリ氏は「保守系女性政治家に対する迫害だ」と訴えていた。
 ザンベッリ氏はこの他にも、サンパウロ州選挙地域裁から虚報拡散の嫌疑で下議の任期剥奪と8年間の被選挙権剥奪の判決を受けている。さらに、最高裁大法廷でも、2022年の大統領選決選投票前日にサンパウロ市で、投票日前は携行が禁止されていた銃を手に、自身に野次を飛ばした黒人男性を追い回した嫌疑での裁判が行われている。この裁判は現在、投票が中断されているがすでに過半数の6人の判事が5年間の実刑判決と下議任期剥奪の有罪票を投じている。
 ザンベッリ氏は2023年8月にCNJのハッキング捜査の際、国外逃亡しないよう、モラエス判事からパスポートの没収処分を受けていたが、その後、返還されていた。
 ザンベッリ氏の所在地については確認されていない。同氏はアルゼンチン国境を自動車で越え、ブエノスアイレス経由の航空機で米国に向かい、フロリダに滞在中との説と、その後にイタリアに飛んだ、という説が浮上している。というのも、同下議はイタリア国籍も持っており、ブラジルとイタリアは犯罪人引渡条約を締結しているが、政治犯の場合は除外されているからだ。
 連邦検察庁はザンベッリ氏の行為を国外逃亡と見なし、逮捕と国際警察への指名手配を求めた。
 4日、モラエス判事は検察庁からの請求を承認し、ザンベッリ氏に対し、正式に逮捕命令を出すと共に、国際指名手配、それも重要犯罪者に適用するレッド・ノーティスの形での手配を行った。
 それと合わせて、下議としての外交用のものも含めたパスポートの使用停止、Pixを含む口座の凍結と給与や手当の差止、ザンベッリ氏名義での航空機の利用停止、あらゆるプラットフォームでのSNSの使用禁止を命じた。また、犯罪行為に当たる投稿一つにつき5万レの罰金も課している。
 「刑法適用を逃れる意図が見られた場合、有罪である国からの逃亡には禁固を命じる判例が最高裁にはある。それほど確固たるものだ」とモラエス判事は判決文で記している。


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