site.title

ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(188)

2025年6月19日

 その子供を教育する学校でも、対立は生まれていた。サンパウロの女学校赤間学院では教職員、生徒、親が戦勝・敗戦両派に分かれて対立、口もきかぬ状態となった。一時は学校を潰してしまえ、というところまで行った。
 止むを得ず、両派のリーダー格の教員を、喧嘩両成敗で解雇して、漸く収拾したそうである。

 殺気立つ

 両派の対立の険悪化は次第に先鋭化して行った。
 押岩は、こう語る。
 「コロニア(邦人の集団地)は、どこでも戦勝を信じる者と敗戦を認める者の二派に、白と黒、ハッキリ別れ、殺気すら流れ始めた。(こりゃ、血を見ないと収まらないナ)と感じるほど緊迫した空気になっ...

会員限定

有料会員限定コンテンツ

この記事の続きは有料会員限定コンテンツです。閲覧するには記事閲覧権限の取得が必要です。

認証情報を確認中...

有料記事閲覧について:
PDF会員は月に1記事まで、WEB/PDF会員はすべての有料記事を閲覧できます。

PDF会員の方へ:
すでにログインしている場合は、「今すぐ記事を読む」ボタンをクリックすると記事を閲覧できます。サーバー側で認証状態を確認できない場合でも、このボタンから直接アクセスできます。

Loading...