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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(197)

2025年7月3日

 悦子は、
 「皆がサンパウロへ向かった時は、ピストルを持って行ったので、何かやるのだろう、と想像していましたが、殺すとまでは知りませんでした。
 ただ懲らしめる相手は、悪い奴だから当たり前だ、と子供心に思っていました。皆、無事で帰ってくるといいな、とも…」
 と想い出す。
 襲撃班は、サンパウロに向かう時、一旦、横山家に泊まった。
 カズエが、彼らを戦場に送り出す様に、世話を焼いた。
 白い四角の布に丸く切り抜いた赤色の布を縫いつけて日の丸をつくり、腹に巻いてやっ ていた。
 ただ、これも全員に対してではあるまい。日高、山下は知らないという。
 カ...

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