ブラジル マンダカルー物語=黒木千阿子=(8)
たったの10才だというネンネが軽々と斧を振り上げて薪を割っていました。
コーン、コーンという音が山に響くと、ネンネの力強い斧さばきは、一層大人びて見えました。
セリアはその横で、マンジョッカ(キャッサバの芋=トウダイグサ科の熱帯低木のサツマイモに似た根塊)を小さく叩きつぶして、家畜の餌を作っていました。と、お母さんの声。
「セリア、食器を洗いなさい」
セリアは、ブツブツ言いながら台所に向かいました。
皆さんは、『セリア』の名はもうご存じでしょう。
そうです。サンパウロからマンダカルーに移った最初の夜、私と一緒にダンボールの上に寝たマリーの妹...
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