site.title

岡山県移民115周年前夜祭=記念誌の完成、慶祝団8人来伯=南米次世代交流プログラム5人も

2025年8月20日

画像スライダー (4枚)

 『ブラジル岡山県移民115周年記念式典』前夜祭が15日午後7時から9時まで、サンパウロ市リベルダーデ区にあるブラジル岡山県文化協会(角南美佐子会長)会館で行われた。日本からの慶祝訪問団との交流、記念誌完成の発表が行われ、同県は各都道府県人会に先駆けて留学生を受け入れたことが強調された。

 日本からの南米次世代交流プログラムの5人を含めた慶祝訪問団は当日着伯、早速同会館で『世代を超えた岡山とサンパウロのつながり』と題したワークショップで県人会員と交流した。日本からブラジルに交流派遣するのは今回が初めて。

 団長の藤原いずみ県民生活部地域活性化推進監はワークショップで「いろいろな世代の方々と交流を深め、特に若い世代の交流が進められればいいと思います」と話した。県庁からは梶谷貴政班長、矢吹浩一主事も来伯。ブラジルに派遣された学生5人は7日、県庁を表敬訪問した際、伊原木隆太知事から「晴れの国南米交流大使」を委嘱されていた。

 岩淺明寿香さん(岡山大学教育学修士2年)は「県人会の多くの方々に話しかけていただき、これから式典に参加、慰霊碑参拝を通して移民の歴史を勉強し、岡山県民に伝えることができるように頑張りたい」と意欲を語った。

 岸本理沙さん(岡山大学経済学部4年)は「県人会の皆さんはみな優しくて話しやすい。また、いろいろと教えていただき楽しい。このつながりを大事にして今後につなげていきたい」とブラジルに着いた印象を語り、留学の明るい見通しを述べた。

 入江陽太さん(岡山大学経済学部1年)は「日本の反対側で日本のことを大切に思ってくれている人々がいることを知り感激しました」と感慨深げに話した。

 文屋里菜さん(ノートルダム清心女子大学2年)は「県人会の方がこんなに多くいらっしゃるのにビックリしました。会員の皆さんとつながりができたらいいなと思うとともに、今後も岡山とブラジルのつながりを続けていけたらいいと思います」と日伯交流に思いを寄せていた。

 芦田拓巳さん(津山工業高等専門学校4年)は「岡山とブラジルをつなぐ民間大使としてブラジルにやってきました。交流をさらに深めて、日本でいろいろな人たちにブラジルのことを伝えたいと思います」と話していた。

 角南会長は「今回、岡山県移民115周年を記念して写真選集付き『岡山県人会記念書籍』刊行発表を兼ねた前夜祭にご来場くださり、心より感謝申し上げます」とあいさつ、「山田アレシャンドレさんと小野かおりさんらが宮坂国人財団、ブラデスコ銀行と交渉、サンパウロ総領事館、JICA(国際協力機構)の支援を受けて『岡山県人会記念書籍』刊行を発表することができました」と刊行の経緯を報告した。

 「アレシャンドレさんの友人であるプロ写真家が撮った写真集を編集し松酒姉妹、五十嵐早苗、美香さんの協力で書籍刊行が実現しました」と説明、「貴重な歴史記録制作、発表にご尽力いただいた皆様に心より深謝申し上げます」と感謝した。

 クリスチーナ・早苗・松酒・五十嵐さんは「両親は1959年に岡山県からサントス丸に乗ってブラジルに参りました。私はブラジルで教育学を専攻し、日本語とポルトガル語を教える傍ら翻訳通訳の仕事もしております。1989年、初めて岡山県を訪れ、両親の兄弟姉妹全員とお会いすることができました」とポルトガル語で自己紹介し、〝桃太郎知事〟と愛称された三木行治知事(1903~1964)が史上初の県費留学制度を敷いたことを紹介、「ブラジル岡山文化協会の誇りです」と話した。

 1953年創立以来の岡山県人会歴代役員を掲載し、サンパウロ市制400年の1954年にイビラプエラ公園内に日本館を寄贈した際、第4代県連会長を務めた藤井卓治・元県人会長、移民前史を飾る仙台から進出してきた商社第1号・藤崎商会(1906年サンパウロ市内に開設)社員の後藤武夫社員も関係していたことを記載したと説明した。


第1回日本民謡祭り24日=秋田会館に響く日本の心前の記事 第1回日本民謡祭り24日=秋田会館に響く日本の心南日伯援護協会=新会館改修費用でRIFA=復旧に向け協力呼びかけ次の記事南日伯援護協会=新会館改修費用でRIFA=復旧に向け協力呼びかけ
Loading...