site.title

性犯罪者が使う絵文字の真意=知られざるペドフィリア〝隠語〟

2025年8月21日

万華鏡1
児童性的虐待者と被害者の会話で頻繁に使われている絵文字(19日付G1サイトの記事の一部)

 

 一見すると無害な絵文字が、SNS上で児童を狙うペドフィリア(小児性愛障害)犯罪者の間では、性的な意味を持つ隠語として密かに悪用されている実態が明らかとなった。保護者の目をすり抜け、子どもが標的とされる危険性が高まっていると19日付G1など(1)(2)が報じた。

 ペドフィリアや児童虐待者はSNS上、特に写真や動画のコメント欄で、表面上は問題のない絵文字や略語を用い、互いのコミュニケーションを隠蔽している。

 代表的な例として、トウモロコシの絵文字が挙げられる。これは英単語「corn(コーン)」に由来し、その音が「porn(ポルノ)」に似ていることから、性的な意味合いで使用されている。即席麺の絵文字は英語で「noodles(ヌードルズ)」と表記され、「nudes(ヌード写真)」に語感が似ていることから隠語的に使われている。

 炎の絵文字は性的な興奮や関心を示すサインとして用いられるほか、ピザの絵文字は、その形状が女性器を連想させることから、象徴的に使用される。青色の絵文字全般は、男児に対する性的嗜好を示すとされる。加えて、茄子や桃などは体の一部を、青い水滴は性的行為を暗示するコードとして使われている。

 この問題は、ユーチューバーのフェルカ氏(本名フェリペ・ブレサニン・ペレイラ)がSNS上で横行する子どもの性的搾取の実態を告発する動画を公開したことをきっかけに、広く認知されるに至った。公開から2週間が経過した20日現在、動画の再生回数は4700万回を超え、コメント欄では視聴者らによって不審なアカウントが次々と指摘されている。

 児童保護団体「チャイルドフッド・ブラジル」は、これらの絵文字の性的な意味付けについて警鐘を鳴らす。同団体代表のライス・ペレット氏は「インターネットは公共の場と同様の性質を持つ。道端では自分の子どもの写真を配ったりしないはずだが、画面の向こうにいる人物が誰か分からない状況で写真を共有することは大変危険だ」と指摘。「厳重に管理された非公開アカウント設定や、子どもたちへのリスク教育が必要だ」と強調した。

 一部の家庭では、ペアレンタルコントロール(保護者による使用制限機能)を備えたアプリを利用し、子どものネット利用を監視している。アプリを使っている母親で10歳の息子を持つジェシカ氏は、「完全に遮断することはできないが常に警戒している」と話した。

 サンパウロ州市警も、SNS上での写真公開がペドフィリア犯罪を助長する実態を認める。直近の事件では26歳の男がインフルエンサーのマネージャーを装い、八つの偽アカウントを使用して少女たちに性的な写真や動画の提出を要求。10〜17歳の被害者が5人確認されている。

 殺人罪・人身保護担当課(DHPP)で児童への性犯罪を担当するルシアナ・ペイショット警部は、保護者の監視の重要性を改めて訴えた。同氏によれば「よだれを垂らした笑顔」や「ハートの目をした顔」といった一般的な絵文字も、犯罪者間で多用されているといい、「これらの行為は児童・青少年法(ECA)に違反する犯罪であり、速やかに警察に通報を」と警鐘を鳴らした。

 児童に関わる虐待や搾取に関する通報は、全国共通の「通報ダイヤル100番(Disque―100)」で受け付けている。 


低評価の医学部に制裁措置=教育省がレベル向上に新方針前の記事 低評価の医学部に制裁措置=教育省がレベル向上に新方針サトウキビが動かす未来=エタノールから水素生成も視野に次の記事サトウキビが動かす未来=エタノールから水素生成も視野に
Loading...