ラーメンSORA=元フレンチシェフの中島健太さん=「まだまだ味を進化させる」

「外国人向けと日本人向けではラーメンの味が全然違う」との言葉が、ラーメン店『SORA』を訪れた際に日本から立ち上げスタッフとして派遣されていた中島健太さん(34歳、東京都出身)から飛び出した。これは只者ではないと経歴を尋ねてみたら、中島さんはなんと元フレンチのシェフだった。
同店は、TikTokフォロワー数480万人を誇る有名インフルエンサーの大野優真さん(24歳、大阪府出身)が社長を務めるトライオン社と、日本で味噌らーめん専門店「麺場 田所商店」の経営・FCを展開するトライ・インターナショナル(TRY社、千葉県本社)がジョイントベンチャーで立ち上げた。
7月中旬にサンパウロ市パウリスタ大通りの一等地で開店した際、大野さんの宣伝力は強力ですごい行列ができた。その客が再来店するかどうかの鍵を握るのは味であり、それを決める重責を担うのが中島さんだ。
聞けば、中島さんは千葉県浦安市舞浜のホテルなどでフレンチのシェフとして働いた後、1年半ほど前にTRY社に入社したという。「日本人はスープの一口目のインパクトを大事にする。外国人はスープを最後まで飲む傾向が強いから、あまり塩味を強くしない方いい。どこまで日本風の味を残すか、バランスが難しい」と解説。
当地の原料も使いながら、日本同様のしっかりと深みのあるスープに仕上がっている。中島さんは「味噌はナマモノなので季節によって微妙に色や味が変わる。お客さんの反応を見ながら、まだまだ味を進化せていきます。メニューを増やしたり、やることはいっぱいあります」と意気込む。
現在来伯3カ月目だがレシピが固まり次第、10月には帰国する予定とのこと。ラーメンに加えて、塩こうじ唐揚げ等もお薦め。場所は地下鉄トリアノン・マスピ駅すぐ横の化粧品店ソネダの地下一階(Av. Paulista, 1405 - Subsolo - da Soneda, São Paulo)。