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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(256)

2025年9月26日

川畑は後年、発刊の動機を、

「当時、戦勝派は、邦人社会を代表する知識層、実力者層を背景とする敗戦認識運動の積極的攻勢の前に『狂信の徒』『愚民集団』の嘲罵を一方的に浴びながら、一矢も酬いる術もなかった。これは戦勝派の思想、心情を世に訴える言論機関を持たなかったからである」

と記している。

その川畑は、前記の様に日本への引き揚げは絶対不可の信念を持っていたから、彼の啓蒙によって、戦勝派の間には永住論が盛んになった。

ところが、ここに異変が起こる。彼らの総帥である根来自身が一九五二年、日本へ引き揚げてしまったのである。

根来は一部の人間には、人格者という印象を与えた。...

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