松林監督をヒージャー汁で歓迎=沖縄県系人描く新作撮影で来伯
ドキュメンタリー映画『オキナワ サントス』などを制作した松林要樹監督が、新作の取材・撮影のために11月20日~12月9日の約20日間にわたって来伯した。12月2日夜、同監督の歓迎会がサントアンドレ市内の新城安昭(あらしろ・やすあき)さん経営の飲食店で行われ、沖縄県人会サント・アンドレ支部関係者を中心に20人ほどが集まって恒例の「ヒージャー(山羊)汁」が振る舞われた。
松林監督作品の『オキナワ サントス』は、残り少ないサントス事件当事者の貴重な証言を記録しており、ブラジル沖縄県人会が同作品をブラジル内で巡回上映するなど積極的に協力し、昨年7月、ブラジル政府が戦中戦後に迫害した日本移民への正式謝罪を行ったきっかけともなった。
昨年に続いて7回目となる今回の来伯で松林監督は、沖縄県に留学した経験を持つ20代、30代の若手の日系人(ウチナーンチュ)を主な対象に、その後の活動状況などを追って沖縄県人会サンタマリア支部、同サントアンドレ支部などを取材・撮影したという。
歓迎会では、最初にブラジル沖縄県人会元会長の島袋栄喜氏が昨年7月のブラジル政府の正式謝罪までの経緯を改めて説明し、松林監督の活動を称えた。また、今回の同監督の取材がウチナーンチュのルーツを辿り、祖先への心を重んじる若手日系人が対象になることにも触れ、「我々ウチナーンチュも関心のある映画になると思うので、ぜひ、完成させてください」と期待を寄せた。
松林監督は「去年、ここでヒージャーを食べさせてもらって有難く思いましたが、今日もヒージャー汁を楽しみに来ました。新しくドキュメンタリーを作るために、様々な人に応援してもらっており、来年には完成していると思います」と述べ、新作への思いと感謝の気持ちを伝えた。
ブラジル沖縄県人移民研究塾の宮城あきら代表は、昨年7月に実現したブラジル政府謝罪について、改めて「感無量」の思いを表した。さらに、こうした事実を「今後は若い世代の皆様に継続してもらう」ため、自身が編集活動を行っている『群星』の編集委員会も2世を中心に進めていることに言及。松林監督に対して「今後も絆をつなげていただき、沖縄に帰っても新しい活動を続けてほしい」とエールを送った。









