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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(307)

2025年12月13日


 谷垣は、そういうゼルヴァジオが面白くなかった。

 コチア青年のトラブルは続いた。

 深刻だったのが、自殺の続出であった。最初のそれは五八年に、サンパウロ西方ほど遠からぬ地で起きた縊死である。

 遺書があり「自分をこんな所へ送り込んだ」人々への恨みを書き連ねた上「誰かを道連れにしてやる」と記してあった。

 ところが、その葬式の参列者の乗った車が事故を起こし、一人が死亡、数人が負傷してしまう。

 「なんとも後味の悪いできごとだった」と地元の人は述懐する。

 遺書の中の「こんな所」というのは、就労先の組合員農家のことである。

 この自殺者は、青年の多くが着伯後味わったショックを、代弁...

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