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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(312)

2025年12月20日


 総会の前日、ある幹部職員が、

 「最悪事態です。ここまで追い込まれたら、どう足掻いても無駄」

 と悲鳴を上げていたというが、その通りだった。

 最悪化の主因は、借入金に頼っての過剰投資であった。

 二十二カ所の地方出張所、その他の各種施設を銀行融資でつくっていた。

 その金利が嵩んできたところに、商品流通税の痛棒を食らった。資金繰りのため高利の金に手を出し、これが自らトドメを刺す形となった。 

 原田実専務の、この日の姿は痛々しいほどだった。途切れ途切れの報告の中に、次の言葉があった。

 「今日の醜態は、経営陣の無能と金融面の不手際によるもの。私の目が見えていなかった…」

 施設...

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