偽の釈放命令で囚人が堂々脱走! 獄中のハッカーが司法システムの裏をかいて
ミナス州の刑務所で前代未聞の「正面突破」が起きた。偽造された釈放命令書を使い、4人の受刑者が堂々と刑務所を後にしていたのだ。事件を受け、州政府は「今後は釈放を遅らせる」と異例の方針を打ち出した。
問題が起きたのは、州都ベロオリゾンテ市のセレスプ・ガメレイラ刑務所。12月20日、4人の男が国家司法評議会(CNJ)のシステムに登録された“ニセの釈放命令”を提示し、門を通過した。中には、CNJのシステム侵入を主導したとされる32歳のハッカー、リカルド・ロペス容疑者も含まれていた。
州副知事のマテウス・シモンエス氏は「確認作業の時間を確保するため、今後は釈放手続きを意図的に遅らせる」と説明。すでに3人が逃走中で、1人は再逮捕された。
捜査によると、犯行はCNJの正規アカウント情報を不正入手し、釈放命令を書き換えるという手口。CNJは「システム侵入ではなく、資格情報の悪用」と強調している。司法当局は、偽造命令は24時間以内に特定・無効化されたとしているが、逃走は防げなかった。
事件は、犯罪組織掃討を目的とした警察作戦「ドミヌス作戦」の成果発表の最中に明らかになり、州政府にとっては痛恨の一撃。ネット時代の“ハッカー犯罪”が、司法と刑務行政の弱点を突いた格好だ。果たして逃走犯は再び檻に戻るのか――波紋は広がる一方だ。








