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大晦日の伝統行事「第52回餅つき祭り」をリベルダーデ広場で開催

2025年12月30日

今年も年の瀬の恒例行事として、サンパウロ市のリベルダーデ広場( Praça da Liberdade África-Japão) で 第52回 Moti Tsuki Matsuri(餅つき祭り) が12月31日(水)に開催される。リベルダーデ文化福祉協会(藤田ダニロ会長、ACAL)が主催。日系文化が色濃く残るリベルダーデ地区の象徴的な場所で、地域住民や訪問者が年末を祝うために集まる伝統行事だ。

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代表者による餅つきの様子

この祭りは「繁栄の餅祭り」として親しまれ、 餅つき祭りは、過ぎ去る旧年へ感謝を捧げ、新しい年が祝福された素晴らしい1年であるようにとの祈りを捧げるもの。同時に、リベルダーデを訪れる全ての人々に感謝の気持ちを表し、みんなで商売繁盛を祈念する。2025年も、地域の文化団体や支援者らの協力で規模と趣を保ちながら開催される予定だ。

当日のプログラムは以下の通り。午前9時から開始される無料の餅の配布 では、目安として約3万個ものモチが来場者に振る舞われる見込みで、訪れた人々が順に手渡しで受け取る。これは「健康・平和・繁栄」の願いを込めた年末の贈り物として位置づけられている。

その後、午前10時からは伝統的な神道式の開会式(セレモニー) が行われ、日本文化に根ざした精神的な側面を感じられる場となる。また、モチツキ(餅つき)の実演 も披露され、杵と臼を使った昔ながらの餅つきの様子を見学できる。杵で力強くつく様子は、参加者にも祭りの一体感と希望を伝える。

9時半からは恒例の「茅の輪くぐり」も行われる。これは神道による無病息災や厄除け、家内安全を願う伝統行事だ。神聖な場所と現世を隔てる境界を示す「しめ縄」の材料、チガヤを使って作られた大きな輪「茅の輪」を人が潜ることで、心身を清め、災いを避けることができるといわれている。これがブラジルで唯一体験できるのが、この餅つき祭りだ。

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珍しい茅の輪くぐりの様子

このイベントは単なる食の催しではなく、年の締めくくりとしての感謝と、新年への祈念を共有する大切な文化行事だ。日本とブラジルの友好関係の節目「日伯友好130周年」や、リベルダーデ地区の歴史的な歩み「120周年」を祝う意味合いも兼ねている。「リベルダーデ120周年」とは、行政区の制定年ではなく、同地区が都市の一生活圏として形成されてきた歴史的時間の長さを示す。

参加は無料で、年末のひとときを地域の人々と共に過ごせる貴重な機会となる。観光や文化交流を兼ねて訪れるのもおすすめだ。


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