殺人件数5年連続で減少=フェミサイドは過去最多に
法務省と連邦保安局が20日に発表した治安統計によると、2025年の殺人事件による死者数は前年比11%減の3万4086人となり、5年連続で減少した。統計には故意の殺人、強盗殺人、傷害致死に加え、性別を理由とする女性殺害(フェミサイド)も含まれる。国内治安は全体として改善傾向にあるものの、性別に基づく暴力への対策が依然として課題となっていると21日付G1など(1)(2)が報じた。
データは2025年1〜11月までの集計を基にしており、サンパウロ州とパライバ州の12月分が未集計であるため、最終的な総数は約300件程度上乗せされる可能性がある。それでも年間の減少率は約10・4%とみられる。地域別では、南部が22%減、中央西部が18%減、北部が11%減、北東部が10%減、南東部が8%減と全国的に犯罪発生率が下がった。州別では、マット・グロッソ・ド・スル州が28%減、パラナ州とリオ・グランデ・ド・スル州がともに24%減を記録した。対照的に、トカンチンス州(17%増)、リオ・グランデ・ド・ノルテ州(14%増)、ロライマ州(9%増)など一部地域では増加傾向が見られた。
人口10万人当たりの殺人率は全国平均で15・97人となり、前年の18・05人から改善した。州別ではセアラ州(32・6人)、ペルナンブコ州(31・6人)、アラゴアス州(29・4人)などが高水準で推移し、依然として地域差が大きい。最多の暴力的死亡者数を記録したのはバイーア州(約3900人)、リオデジャネイロ州(約3580人)、ペルナンブコ州(約3020人)で、最少はアクレ州(204人)、アマパ州(179人)、ロライマ州(139人)だった。
一方で、性別を理由とする女性の殺害(フェミサイド)は2025年に過去最多の1470件に達した。これは前年の1464件を上回る記録であり、全国で1日平均約4人の女性がフェミサイドの犠牲になっている計算だ。このカテゴリーは2015年に導入され、女性が「その性であること」を主因として殺害された場合に区分される。過去10年間で累計1万3448人の女性がこの定義で死亡している。
州別ではサンパウロ州(1774件)、ミナスジェライス州(1641件)、リオ・グランデ・ド・スル州(1019件)が多く、ロライマ州(7件)、アマパ州(9件)、アクレ州(14件)は相対的に少なかった。専門家は、フェミサイドの実数が過小評価されている可能性を指摘している。
ブラジル治安フォーラム(FBSP)のサミラ・ブエノ執行理事は、フェミサイドが一般の殺人事件として処理され、本来の動機が反映されないケースもあると説明する。また、ストーキングや身体的暴行といった暴力的行為の増加が、将来的なフェミサイドにつながる可能性を懸念する声もある。
こうした背景を受け、ルーラ政権は昨年10月、女性に対する殺人に対する刑罰を強化する法案に署名した。新法では、家庭内暴力や性差別を動機とする殺人の加害者に対し、従来の刑期(12〜30年)を引き上げ、最低20年、最高40年の懲役刑を適用する。さらに、被害者が妊娠中や産後3カ月以内、または14歳未満や60歳以上の場合、刑罰を3分の1加重する規定が設けられた。犯行が被害者の子どもや親の面前で行われた場合も同様に重罰となる。
これらの措置は、性別に基づく暴力の抑止と刑事司法の一層の強化を目指したものだが、フェミサイドの根絶には地域ごとの対策強化と教育啓発が不可欠との指摘も出ている。









