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在日ブラジル人社会に不安拡大=社会保険未納で在留審査厳格化=「永住者でも安心できない」

2026年1月30日

27日付BBCブラジル「日本での債務返済不能により、強制送還の危機に直面するブラジル人」の記事の一部
27日付BBCブラジル「日本での債務返済不能により、強制送還の危機に直面するブラジル人」の記事の一部

 日本政府が外国人の税金や社会保険料の未納対策を強化するなか、在日ブラジル人社会で在留資格更新を巡る不安が広がっている。国民健康保険料や年金、医療費などの未納がある場合、在留期間の短縮や更新拒否につながる事例が増えているとされ、長年日本で生活基盤を築いてきた層にも影響が及び始めている。27日付BBCブラジル「日本での債務返済不能により、強制送還の危機に直面するブラジル人」(https://www.bbc.com/portuguese/articles/cm21zv8rkyeo)が報じているものに、在日ブラジル人がSNSで発信しているコメントなどを加えた。

 在日ブラジル人は約21万人。日本で10年以上暮らしてきた日系ブラジル人の自営業男性(45)は、国民健康保険料約30万円の未納を理由に、長期在留ビザ更新時に出国命令を受けた。未納分を完済し更新は認められたが、在留期間は3年から1年に短縮された。

 SNS上では、こうした事例を受けて不安の声が急速に広がっている。「数万円の未納でも更新できなくなるのか」「分割払いを始めていても不利になるのではないか」「自営業は収入が不安定な年もある。制度が現実を見ていない」といった書き込みが目立つ。中には「家族のうち一人だけが更新できなかった場合、生活は成り立つのか」「子どもが日本で育っている家庭ほど影響が大きい」といった、家族単位での在留継続を懸念する声も多い。

 制度面では、日本は3カ月を超えて滞在する外国人に対し、社会保険への加入を義務付けている。厚生労働省の調査によると、2024年度の国民健康保険料の納付率は日本人が93%だったのに対し、外国人は63%にとどまった。国民年金の納付率も外国人は49・7%と、全体平均(84・5%)を大きく下回る。

 医療費未払いも問題となっている。外国人患者による未払い医療費は、2021年の約8億8500万円から2023年には約13億3千万円に増加し、全体の未払い額の約1・5%を占める。訪日外国人の増加とともに、医療機関側の負担が拡大している。

 こうした状況を背景に、政府は在留管理の厳格化を進めている。2025年8月には石破茂首相(当時)が、税金や保険料などの未納がある外国人に対し、在留資格更新を制限する方針を表明。2025年10月に就任した高市早苗首相も、不法滞在や制度未遵守への対応強化を掲げ、医療費未納者の再入国制限などを検討している。

 永住権や帰化要件の見直しも議論されている。永住許可に必要な収入水準や日本語能力の引き上げ、帰化に必要な居住年数の延長などが検討されており、日本に約93万人いる永住外国人のうち、約11万7千人を占めるブラジル人にとって影響は小さくない。

 在日ブラジル人のSNSでは、「永住者でも安心できない時代になった」「更新できなければ住宅ローンや仕事に直結する」「制度が変わるなら、事前にもっと分かりやすい説明が必要だ」といった声が相次ぐ。特に自営業者や非正規就労者からは、「納付意思があっても一時的な資金繰りで判断されるのは厳しい」との指摘が多い。

 政府は「法令順守を前提とした公平な制度運用」を強調する。一方、専門家からは「未納を抑制するには、更新制限だけでなく、分割納付や多言語相談体制の強化など制度的な補完が不可欠だ」との声も出ている。外国人労働力への依存が進むなか、在留管理の厳格化と人材確保のバランスが問われている。



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