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《ブラジル》モロの米国事務所での年収360万レ=JL疑惑企業の事業再建担う=巨額すぎ、倫理的に問題か?

2022年2月1日

放送でのモロ氏(Twitter)
放送でのモロ氏(Twitter)

 大統領選出馬が予想されるセルジオ・モロ氏(ポデモス)が、法相辞任後に就職した米国の法律事務所「アルヴァレス&マーサル」社から1年間で360万レアル(約7800万円)の報酬を受け取っていたことを明らかにした。同氏がパラナ州連邦地裁判事時代に担当したラヴァ・ジャット作戦(LJ)で捜査対象となった企業の事業再建を手がける法律事務所からこのような大金を得ていたことが物議を醸している。1月28、29日付現地紙、サイトが報じている。
 報酬額は、ネット上での放送でモロ氏本人が1月28日に明かしたものだ。同氏は20年4月に法相を辞任。同年11月から21年10月まで勤めていたアルヴァレス&マーサルからの給与は国立会計検査院(TCU)からの捜査対象にもなっていたが、その疑問に本人が応えた。
 モロ氏は同社から4万5千ドルの給与を受け取っていたことを明かし、ボーナスを含めて、実質360万レアルを受け取っていたことを明らかにした。
 モロ氏は給与の件を明らかにしてこなかった理由を「TCUの捜査があったので言えなかった」と語ったが、自分の受け取った額については「これで懐が潤ったなどということはない」とし、問題がないことを主張した。

 この件に関し、モロ氏の支持者は「正直な発言だ」とし、モロ氏が(自身が17年に有罪判決も下した)ルーラ元大統領に対して数日前にネット上で発言した、「ルーラ氏よ、口座を見せろ」の発言を引用し、ハッシュタグにして煽った。
 だが、ネット上の反応は否定的なものも目立った。それはオデブレヒトやOASといった、同氏自身が贈収賄工作容疑で有罪判決を下してきた企業の再建を手がける事務所から、1日平均約1万レアル相当の給料をもらっていたことに対して、驚きを隠せない人が多かったためだ。
 ツイッター上ではこのため、「モロ・ナ・カデイア(モロ氏を牢屋に入れろ)」「ジュイス・ラドロン(泥棒判事)」などのハッシュタグが乱れ飛ぶ事態となった。
 モロ氏自身は「再生事業には関わっていなかった」と主張しているが、アルヴァレス&マーサルの収入の77%はLJの捜査対象の企業からの支払いによるものであることも報道されている。
 TCUのルーカス・フルタード副長官は、「自分が裁判を担当した企業に関し、別の仕事で特別の情報を与えたりするのは違法行為に当たる」として捜査の必要性を示唆した。

ルーラ裁判の一つが前日にお蔵入り

 奇しくも前日の1月27日には、連邦直轄区地裁のポリアナ・アウヴェス判事が、LJでモロ氏がルーラ氏に9年の実刑判決を下した、サンパウロ州グアルジャーの高級三層住宅を介したOAS社からの贈収賄工作容疑に関して、再審を行わないと宣言している。
 同件は3審まで有罪となっていたが、19年のヴァザ・ジャット報道でモロ氏の携帯電話の盗聴記録からルーラ氏に不利な報奨付証言をさせようとしていたことなどが発覚。21年3〜4月に最高裁が「モロ氏が同裁判で偏った判断をした」として、LJ案件の裁判を無効化したため、連邦直轄区地裁に移管して最初からやり直しとなっていたが、この日は正式にお蔵入りが決定。ルーラ氏の大統領選出馬には支障がなくなっていた。


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