《ブラジル》物議醸すフリアス氏とカマルゴ氏が辞任=下議選出馬説も問題続出

連邦政府文化局長のマリオ・フリアス氏、パルマレス財団会長のセルジオ・カマルゴ氏が3月31日に相次いで辞任することが連邦政府官報で発表された。2人ともサンパウロ州下議を狙うと見られているが、在任中に物議をかもす言動が相次いでいた。3月31日付現地サイトが報じている。
20年6月に文化局長に就任したフリアス氏は元俳優で、ボルソナロ大統領の熱心な支持者として知られていた。
フリアス氏は左派の多い芸能界と対立し、歌手や俳優との口論が絶えず、保守的なプロジェクトを優先しているとも報じられていた。
同氏は21年5月に教育省内で銃を携帯して歩いて物議をかもした。その上、同年12月には格闘家のレンゾ・グレイシーに会いに行くと称して米国に行き、使途不明の3万9千レアルの公金を使用したことなどが問題視されていた。
一方、カマルゴ氏は2019年11月に黒人文化の保存や意識の高揚を目的とするパルマレス財団の会長に就任したが、黒人でありながら黒人に差別的な言動を行ったことがあるとして、裁判所に会長就任を差し止められたり、黒人による人種平等を求めた運動を批判したりして、物議をかもしていた。
同氏は2021年にも、保守的なイデオロギーで同財団内の人事を行い、本来の財団の活動目的に沿うはずの人物を追い出すなどの人事を行ったとして、裁判所から会長職の差し止めと人事権剥奪という処分を受けた。この処分は辞任まで続いていた。
フリアス、カマルゴ両氏は3月初旬にボルソナロ大統領の自由党(PL)に入党。サンパウロ州下議選挙を目指すとされている。
これはボルソナロ政権における選挙出馬に伴う閣僚再編の一端でもあるが、全体の正式な再編成は3月31日付官報に掲載され、閣僚9人が入れ替わった。