《ブラジル》MG州知事選でPTがカリル氏支持を内定=ルーラの大統領選の鍵握る=副知事候補には2人の名前

ミナス・ジェライス州知事選で、労働者党(PT)が社会民主党(PSD)と組むことが内定した。これでルーラ元大統領(PT)が同州知事選で、アレッシャンドレ・カリル候補の支持を受けられることになりそうだ。同州は今回の大統領選でルーラ氏がもっとも重点を置いていた州の一つだ。18日付現地紙が報じている。
カリル氏は2020年にミナス・ジェライス州州都のベロ・オリゾンテ市市長選で63%の支持を得て一次投票で当選するなど、圧倒的な人気を誇っている。カリル氏は現在、州知事選出馬のために市長を辞任して準備中だが、ルーラ氏はかねてから同氏からの支持を受けることにこだわり続けていた。
その理由の一つは、ミナス・ジェライス州がサンパウロ州、リオ州に続く大票田であることだ。それに、同氏の所属するPSDは中道勢力セントロンの中では珍しく、ボルソナロ大統領から離反し、少なくとも大統領選の決選投票ではルーラ氏支持を打ち出しているため、この関係を強固なものにしたいと考えていた。ルーラ氏はブラジル社会党(PSB)との連立(フェデラソン)交渉の時から、PSDとのフェデラソンの可能性をうかがっていたほど、PSDとの関係を重視していた。
カリル氏自身もかねてから左派を支持する傾向が強く、「大統領選では左派候補を支持する」と宣言していた。そのため、ルーラ氏だけでなく、もう一人の左派候補のシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)も同氏の支持を狙っていた。
一時は確かに、「シロ氏がリードか」と報じられた時期もあったが、ルーラ氏が13日、サンパウロ市の自宅にカリル氏とPSDのジルベルト・カサビ党首を招いて交渉したことで、状況が一気に進んだ。
カリル氏は当初予定していたPSDのアゴスチーニョ・ペトルス氏とのシャッパ(連立名簿)を諦め、PTに副候補を出すよう頼んだ。カリル氏の希望は同州州議のアンドレ・キントン氏といわれているが、PTは同党の下院リーダーで、同州内でルーラ氏の選挙参謀を務めるレジナウド・ロペス下議を希望している。
ただ、ロペス氏には一つ問題がある。それは同氏が上議選出馬を望んでいることだ。PSDも同州上議選でアレッシャンドレ・シルヴェイラ上議を出馬させたいと考えている。ルーラ氏は先週、ロペス氏と会合を行い、上議選を諦めるよう説得したと報じられているが、ロペス氏は否定している。
ルーラ氏からの支持はカリル氏も欲しいところだ。クエスト社が行った世論調査によると、ミナス・ジェライス州知事選は、ボルソナロ派の現職のロメウ・ゼマ氏(ノヴォ)が41%の支持で、30%のカリル氏をリードしている。だが、「ルーラ氏のカリル氏支持が正式に決まったら」との条件だと、カリル氏が43%、ゼマ氏が22%と形勢が一気に逆転するという調査結果が出ている。
PT陣営には、ルーラ氏とカリル氏の協力体制が決まれば、ルーラ氏が一次投票で大統領選に勝つ可能性が高まるとみている人たちもいるという。