《ブラジル》FGV=第1QのGDPは1・5%増=サービスや家庭消費が牽引=金融機関も成長予測見直し

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)が17日、3月の国内総生産(GDP)は前月比で1・8%成長し、第1四半期(Q)の累計を1・5%増に押し上げたと発表したと同日付現地サイトが報じた。
公式のGDPは地理統計院(IBGE)が扱い、FGVの出すGDPはモニター用とみなされている。これらの数字は季節調整済みで、第1QのGDPは昨年同期比では2・4%成長。3月のGDPは昨年同月比で4・2%増となっている。
第1QのGDPを牽引したのはサービス業だ。サービス業はコロナ禍で大打撃を受けた分、伸び代も大きく、12日付のIBGEの発表では3月は前月比で1・7%成長した。12カ月間の累積では13・6%増だ。
FGVによると、サービス業では経営支援、保健衛生、教育、その他のサービスの4部門が昨年第4Qの時点でコロナ禍前の水準に戻れずにいたが、第1Qではその他のサービスもコロナ禍前の水準を超えたという。
昨年同期比で3・4%増の家庭消費も、サービス消費が牽引している。サービス消費の中でも成長したのは、宿泊施設、食事、国内サービスで、観光・旅行関係や飲食店の営業が活性化してきた事がうかがわれる。だが、耐久消費財の消費はマイナス6・7%で、唯一の減少を記録した。
総固定資本形成(GFCF)は昨年同期比で1・5%成長したが、昨年第4Q以降、機械・設備が低下しており、第1Q全体で4・8%減を記録。この傾向は自動車や機械、電気と機械の設備の各部門で見られる。
第1Qの商品とサービスの輸出は昨年同期比で9・6%増えた。サービスの14・7%増や中間財の14・3%増、農産物の29・5%増が目だつ。輸入はサービスと鉱業で増えたが、農産物と工業製品の輸入が減少。全体では昨年同期比で1・8%減だった。
第1QのGDP推定額は2兆4579億900万レアルで、投資が全体の18・4%を占める。2015年以降の四半期毎の投資の平均値は16・4%、2000年以降でも18・0%だから、第1Qの投資比率は例年以上に増えている。
FGV発表の第1QのGDP成長率は、ブラデスコ銀行が9日に発表した今年のGDPの予想成長率と同じだ。同行はこの日、それまでの予想値の1%を上方修正した。
アメリカ銀行も17日、家庭消費の増加などからブラジルのGDPの成長率見込みを0・5%から1・5%に修正した。4月29日発表の中銀の経済動向調査フォーカスの予想値は0・7%だった。