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【17日の市況】Ibovespaは前日比0.04%高の13万5,564.74ポイント、2日連続で上昇

2025年7月18日

 ブラジル株式市場の代表的な株価指数であるIbovespaは17日、2営業日連続で小幅に上昇し、前日比0.04%高の13万5,564.74ポイントで取引を終えた。取引時間中は13万5,016.25ポイントから13万5,792.48ポイントの狭いレンジ内で推移し、様子見姿勢の強い展開となった。取引高は179億3,000万レアルに達した。
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 この日の市場は、米国の好調な経済指標や好決算を背景に、S&P500およびナスダックが最高値を更新するなど、米株高に支えられる形で下支えされた。一方で、ブラジル国内では、米国による関税措置への対応や財政政策を巡る不透明感が依然として重しとなっており、投資家の慎重な姿勢が目立った。

関税問題、ハダジ財務相は「交渉の加速」を訴え

 政治面では、米国が8月1日から発動を予定している対ブラジル製品に対する50%の追加関税に対し、ブラジル政府は対応を急いでいる。フェルナンド・ハダジ財務相は、新聞「オ・エスタド・デ・サンパウロ」のインタビューで、「交渉で問題となっているポイントを特定し、迅速に対処するためのタスクフォースを設けるべきだ」と述べた。

 さらに、ハダジ氏は「企業との対話の中で、関税発動の猶予期間は有益だが、それだけでは不十分であり、交渉が長引けば商談そのものが失われるリスクがある」との見解も示した。

 また、マウロ・ヴィエイラ外相はCNNブラジルの取材に対し、「適切な機会があれば、ルラ大統領はトランプ大統領と直接会談する意向がある」と述べた。両首脳はこれまで直接の接触の機会がなかったが、今後の外交日程次第では協議が行われる可能性があるとした。

主力銘柄は軟調、Petrobrasの再参入報道が影響か

 個別銘柄では、鉄鉱石価格が中国で続伸したにもかかわらず、資源株の一角であるヴァーレ(VALE3)が0.18%下落。ペトロブラス(PETR4)は1.01%下げた。米ブルームバーグが報じた、同社が燃料価格抑制策として小売市場への再参入を検討しているとの報道が影響した。

 もっとも、ロイターが取材した複数の関係筋によれば、ペトロブラスには現在、燃料小売り事業への復帰計画はなく、同社はかつての子会社であるビブラ(Vibra)と2029年まで競合を避ける契約を結んでいるという。これを受けて、ビブラ(VBBR3)も2.22%下落した。

GPA株が急騰、Coelho Diniz一族の影響力拡大に反応

一方で、大手スーパーGPA(PCAR3)は6.52%の大幅高。今週に入り17%超の上昇を記録しており、これは、ブラジルの大手小売業者Coelho Diniz一族がGPA株の保有比率を約18%まで引き上げたことが材料視されたためだ。

その他の個別銘柄動向

  • 医薬品大手Hypera(HYPE3)は、前日に2.83%上昇した反動で4.43%下落し、日中の下落率で最大となった。ただし、年初来では依然として50%以上の上昇幅を維持している。

  • 工業電機メーカーWEG(WEGE3)は2.36%上昇。スイスの同業ABBが良好な業績を発表したことが好感され、WEGの第2四半期決算に対する期待感が高まった。イタウBBAは、WEG株に対し「アウトパフォーム(市場平均以上)」の評価と、目標株価65レアルを維持している。

  • 航空会社Azul(AZUL4)は9.21%急落。Gol航空とのコードシェア協定に関して、翌日がブラジル独占禁止当局(CADE)への説明期限となっており、先行き不透明感が嫌気された。

  • 銀行株はまちまち。ブラジル銀行(BBAS3)は0.67%下落した一方、イタウ(ITUB4)は1.51%、サンタンデール(SANB11)は1.81%それぞれ上昇した。

ルラ大統領、関税問題で20時30分に声明予定

市場では、同日20時30分に予定されているルラ大統領の対米関税に関する声明にも注目が集まっている。ルラ大統領は国際CNNとのインタビューで、「今回の措置が米ブラジル間の“危機”には発展していない」とし、落ち着いた対応を見せた。

懸念材料は財政と政治、IOF判決も影響

 また、最高裁のモラエス判事がIOF(金融取引税)をめぐる大統領令の一部効力を回復させた判断も市場で注視された。さらに、連邦上院では2027年以降の未払金(プレカトリオ)支払いルールを定めた憲法改正案(PEC)の第一審が承認され、下院ではプレサル社会基金の最大300億レアルの資金を災害被害を受けた農家の債務返済に充てる法案が可決されるなど、政治的な動きも相次いだ。

 「政府も議会も支出拡大の姿勢を強めており、選挙前の予算膨張は避けられないとの見方が市場にある。歳出削減は次期政権の課題になるだろう」と、スルアメリカ投資のジルベルト・ナガイ氏は指摘している。


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