《ブラジル》3党連合候補へのテベテ選出に待った=ドリア出馬辞退で混沌=レイテに逆転立候補の可能性も

【既報関連】23日にジョアン・ドリア元サンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)が大統領選への出馬を辞退したことで、PSDB、民主運動(MDB)、シダダニアの3党による連立での大統領候補選出がむしろ混沌としてきている。23、24日付現地紙、サイトが報じている。
14日にドリア氏がPSDBのブルーノ・アラウージョ党首にあてた「昨年11月の党内選挙で勝ったのは自分なので、尊重するべき」「党内で謀反行為がある」との手紙はかえって反感を買い、18日の3党代表会議による「シモーネ・テベテ上議(MDB)を連合代表に内定する」との発表を急がせる結果にもつながった。
本来なら、3党の代表たちの懸案となっていたドリア氏が出馬を断念したことで、テベテ氏の大統領候補選出への支障がなくなったようにも思われた。だが、ドリア氏の辞退を受け、24日に3党がそれぞれに行う予定だった幹部会議は延期となった。
その理由は、ドリア氏が降りたことでPSDBの一部が別の候補擁立を考慮するよう求めているためだ。同党内で浮上しているのはエドゥアルド・レイテ氏の存在だ。同氏は昨年の党内選挙でも同党重鎮らの強い支持を受けていたが、44%ほどの支持に止まり、2位に終わっていた。
レイテ氏はその後も社会民主党(PSD)に移籍して大統領選に出馬する可能性などが噂されたが党に残り、「3党連合の候補なら事情が違う」とばかりに3月末にリオ・グランデ・ド・スル州知事を辞任し、出馬の可能性をさぐっていた。
だが4月に、2014年の同党の大統領候補だったアエシオ・ネーヴェス氏がレイテ氏を擁立して候補逆転を狙っていると報道されたことで、レイテ氏は4月中旬に出馬辞退を宣言していた。
だが、アエシオ氏をはじめ、PSDB党内では「あくまでもPSDBの候補を」と主張する声も根強く、それがレイテ氏再擁立の動きにつながっている。PSDBはこれまで、民政復帰後の1989年の大統領選以降、すべての大統領選で候補を出しており、94〜2014年まで6度にわたり、2位以上だったという実績がある。
ただ、レイテ氏自身は、リオ・グランデ・ド・スル州知事選の世論調査で27%の支持率で1位だった結果を受け、同州知事選への出馬に意欲を見せているとも伝えられている。同氏は30代とまだ若く、26年の大統領選出馬でも遅くないと見る向きもある。
3党連合候補がテベテ氏かレイテ氏になるかは、今週発表のダッタフォーリャの世論調査次第になると見られている。
一方、ドリア氏が大統領選出馬を断念した真相として、自身の後継候補のロドリゴ・ガルシア・サンパウロ州知事までがテベテ氏を褒める発言を行ったことだったとも報じられている。両者は22日に対談を行ったが、そこでもドリア氏はガルシア氏の支持を得られなかったといわれている。
ガルシア氏もサンパウロ州知事選の世論調査でフェルナンド・ハダジ氏やタルシジオ・デ・フレイタス氏に差をつけられており、7期続いたPSDB知事の座があやうくなっている。