site.title

《ブラジル》ペトロブラスが警告「国内の燃料価格を凍結すればディーゼル油が不足に」新総裁の就任は早くて7月

2022年5月27日

ペトロブラス社(Fernando Frazao/Agencia Brasil)
ペトロブラス社(Fernando Frazao/Agencia Brasil)

 ペトロブラス(PB)が現政権3度目の総裁交代後も、燃料価格凍結でディーゼル油の供給不足が起こり得るとの警告を発していると24、25日付現地サイトが報じた。
 PBは年頭からずっとディーゼル油の供給不足の可能性を指摘して来たが、ボルソナロ大統領が鉱山動力相やPB総裁の入れ替えで価格政策変更への圧力をかけた後も品不足を警告している。
 品不足の最大要因はウクライナ危機で、大豆輸送期の第3四半期は事態が深刻化する。また、価格上昇も不可避で、連邦政府が価格凍結を図っても、調整期間を引き延ばすのが関の山だという。
 最近のディーゼル油値上げは5月10日で、9%弱上がったが、それを不満とするボルソナロ大統領は鉱動相を入れ替え、PB総裁も更迭した。
 再選を狙う大統領には燃料値上げや高インフレは不都合極まりなく、最大株主である国が人事に介入し、価格政策を変更させようとした。だが、それが叶わず、新鉱動相にPB民営化を焚き付けさせただけでなく、PBの経営審議会や理事会の人事も白紙委任した。
 だが、PBは24日もディーゼル油の供給不足が起きる可能性を示唆し、価格調整は輸入業者達が損害を被る事なく輸入を続けられるためとした。
 ブラジルはディーゼル油の30%を輸入している。それは、国内の製油所では消費量全てを精製できないからだ。だが、国際市場価格が国内価格より高いと、輸入業者は購入できなくなる。価格調整を止めれば国内外の価格差分を誰かが補助しなければならないが、PBの定款は経営権のある株主の決定で損失を出しながら経営する事を禁じており、国が補助する必要がある。
 連邦政府が経営審議会や理事会の入れ替えも望んでいるのは定款の変更も必要だからだが、25日の経営審議会は、総裁交代には人事委員会と総会での承認が必要として、23日に発表された新総裁の就任を拒否。政府側に、経営審議会の新たなメンバー8人を再指名する事も求めた。
 さらに、経営審議会の委員や総裁承認のための臨時総会は、新たに指名された委員の評価、承認後に開く事も確認。この通りなら、新総裁就任はどんなに早くても7月となる。


《サンパウロ州》強盗、窃盗事件が増加=殺人は州で増、州都で減前の記事 《サンパウロ州》強盗、窃盗事件が増加=殺人は州で増、州都で減《ブラジル》下院がICMS上限設定を承認=燃料、光熱費高騰抑制狙って=知事たちは抗戦の構え次の記事《ブラジル》下院がICMS上限設定を承認=燃料、光熱費高騰抑制狙って=知事たちは抗戦の構え
Loading...