《ブラジル》食品3項目は減税効果なし=23日に関税引き下げるも

経済省が23日、米やフェイジョン豆、牛肉などの輸入関税を引き下げたが、これら3項目は減税による価格低下は望めないとの声が出ていると30日付現地サイトが報じた。
連邦政府は国内価格抑制のため、昨年11月にも関税引き下げを行っており、6千項目以上の品目の約20%は2023年12月まで減税扱いとなる。
フェイジョンの課税率は10%から8%、米と牛肉は品種や部位毎に、12%と10%から9・6%と8%に引き下げられた。
だが、ブラジルで最も使われているフェイジョン・カリオカはもっぱら国内生産で、現在予想されている収量314万トンで国内の需要は十分にまかなえる。また、メルコスル加盟国のアルゼンチンから輸入する白、黒、赤などの豆には関税はかかっていない。国内価格の上昇は干ばつや肥料、輸送費の値上がりが主な原因だ。
米も国内生産か、よく似た品種を栽培しているメルコスル加盟国からの輸入で十分足りている。4月までの12カ月間の輸入量は25・5%減っている上、関税引き下げの対象となるタイやベトナム、インドなどからの米はブラジル人の好みとは異なり、余り消費されていない。また、国内価格は12カ月間で約10・8%値下がりしている。
牛肉も、ブラジルは月々27万3千トンを輸出しており、4千トンを輸入しているが、国内用も自国内で供給が可能だ。牛肉は1年間で約15%値上がりしたが、国内価格の上昇は国外での需要の高まりやメルコスル参加国での減産が主な要因で、輸入関税を引き下げても、国内価格には影響しないという。