《ブラジル》虚報流せば出馬資格剥奪?=選挙高裁が新たな方針発表

選挙高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事が5月31日に開かれた、外国の外交官とのイベントの終わりに、「国民に大きな影響を及ぼす事ができるSNSで虚報を広める候補者は、出馬資格(登録)を取り消される」という声明を発表したと同日付G1サイトなどが報じた。
モラエス判事が声明を発表したのは、「大使達への情報セッション:2022年選挙とブラジルの選挙システム」と題するイベントだ。同判事は8月に選挙高等裁判所の長官に就任する事になっており、10月の統一選の時期は選挙システムの管理や投票結果公表などの責任を負う。
同判事は、最高裁におけるSNSで虚報を拡散するサイバー犯罪者集団(ミリシア・デジタル)に関する捜査などを担当しており、「10月に行われる統一選での虚報拡散が出馬資格の抹消に繋がる」と述べると共に、「選挙裁判所はサイバー犯罪に対処するための準備を行っている」と明言した。
モラエス判事はまた、選挙キャンペーン中に偽情報が使われた時、選挙裁判所がどのような態度をとるべきかについて、選挙高裁が統一基準を定めた事にも言及した。
選挙高裁は昨年、全てのSNSはメディアである事を明らかにし、悪意を持ってSNSを使用した場合は、メディア乱用や政治的権力の乱用、経済的権力の乱用と判断する事を可能とした。
また、パラナ州選出の連邦下議の一人が昨年、選挙当日に選挙過程についての偽情報を流した事を理由に議席を剥奪された事を実例としてあげ、虚報を流した場合は、出馬資格だけでなく、議席さえ失いうる事を明らかにした。
このイベントの最初には、現在の選挙高裁長官であるエジソン・ファキン判事が、「国際社会はブラジルの選挙システムを攻撃する『軽薄な批判』に対して『警戒』する必要がある」という表現で、根拠もなく、選挙システムを批判しているグループがあるが、ブラジルの選挙システムは信頼に足りるものであり、偽の情報に惑わされたり、懸念したりする必要はない事を弁明している。