《ブラジル》4月の基礎的収支は黒字=市場の予想を大幅に超える=名目収支では赤字が続く

中央銀行が5月31日、4月の基礎的収支は388億7600万レアルの黒字だったと発表したと同日および1日付現地紙、サイトが報じた。
4月の基礎的収支の黒字額は4月としては2001年12月の統計開始以来最大で、市場が予想していた326億レを大幅に上回った。これまでの4月の黒字額最高は、昨年4月に記録した242億2500万レアルだった。
4月の基礎的収支黒字の大幅増は、税収が1950億レアルで新記録を更新した事も反映している。4月の税収増は経済活動のレベルが向上した事とインフレ高進が影響した。
今回発表された額には、中央会計(国庫、中央銀行、社会保障)と州、市、ペトロブラスを除く公社(ヱレトロブラスと公的銀行)が含まれている。中央会計は296億3800万レアル、地方自治体は102億7800万レアルの黒字だったが、公社は10億4千万レアルの赤字を計上した。
これにより、1~4月の累積黒字額も国内総生産(GDP)の4・74%相当の1484億9300万レアルとなり、新記録を更新した。昨年同期の黒字額は758億4100万レアルだった。
ただし、4月に支払った公的負債の利息額は計799億レアルに上り、利息の支払い分も差し引いた名目収支は410億2400万レアルの赤字だった。
また、4月までの直近12カ月間に払った利息は4894億レアルでGDPの5・42%に相当。これにより、名目収支の累積赤字額は、国内総生産(GDP)の3・90%相当の3520億4200万レアルに達した。この比率は、3月までの12カ月間より0・75%ポイント拡大した。
4月現在の公共部門の純債務額は5兆2270億レアルで、GDPの57・9%を占めた。この比率は3月より0・3%ポイント減っている。中銀によると、純債務のGDP比率低下にはドル安や名目GDPの増額が影響したという。
また、中銀と公社の分を差し引いた総債務額は、GDPの78・3%にあたる7兆750億レアルだった。4月の総債務額は3月の7兆90億レアルよりも増えたが、GDP比率は0・2%ポイント低下した。総債務額のGDP比率低下は6カ月連続して起きている。