《ブラジル》インフレに減速の兆し?=5月のIPCAは0・47%=電力と食品の値下がりで

地理統計院(IBGE)が9日、5月の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前月比で0・47%の上昇に止まったと発表したと同日付現地サイトが報じた。この値は市場予想の0・6%未満で、4月の1・06%の半分以下。また、昨年4月の0・31%以来の低率で、インフレ減速化との声も出始めた。
12カ月間の累積は11・73%で、4月の12・13%より下がったが、2桁台という状態は9カ月間続いている。5月までの12カ月間の最高値は、2003年5月に記録した17・24%だ。
5月は9部門中8部門で物価が上がった。上昇率最高は被服費の2・11%増。最も影響したのは運輸交通の1・34%増で、全体を0・30%ポイント(PP)押し上げた。保健介護費は医薬品の2・51%増などで1・01%増だった。その他は、食品飲料0・48%、家庭用品0・66%、教育0・04%、通信0・72%、個人経費0・52%と、1%未満に止まった。
唯一のデフレは1・70%減の居住費で、100キロワット/時あたり14・20レアルの追徴金がなくなった電気代の7・95%減が貢献した。
運輸交通を押し上げたのは、航空燃料の値上がりなどを受けた航空料金の18・33%増で、全体を0・08PP押し上げた。
ガソリンは価格調整がなく、4月の2・48%増が0・92%増に終わった。価格調整があったディーゼル油は3・72%値上がりしたが、エタノールは4月の8・44%増が0・43%減と激減。
12カ月間の累積はガソリン28・73%、ディーゼル油52・27%、エタノール25・31%だ。ディーゼル油の比重は大きくないが、トラックやバスの燃料であるため、輸送・公共交通費の増大や、輸送費増による小売価格全般の上昇などを招く可能性がある。
他方、食品は、トマト23・72%、ジャガイモ3・94%、ニンジン24・07%のように値下がりしたものが出た。それでも、ニンジンは12カ月間で116・37%値上がりしている。また、玉ねぎやロングライフ牛乳は、各々、21・36%と4・65%値上がりした。