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《ブラジル》伯米首脳会談=食い違う当日の発言と現実=環境問題への努力を約束=「負けても選挙結果認める」

2022年6月11日

会談の様子(Twitter)
会談の様子(Twitter)

 ボルソナロ大統領は現地時間9日、米国のバイデン大統領とロサンゼルスで首脳会談を行った。会談では環境問題や大統領選挙に関する話が出て、ボルソナロ氏が環境保護への努力や民主主義順守を誓ったが、この日の発言が日常のそれと異なることが指摘されている。9、10日付現地紙、サイトが報じている。
 今回の首脳会談は、バイデン大統領が呼びかけた米州首脳会議の一環として行われた。ボルソナロ氏との会談はバイデン大統領就任以来、初めてだ。
 ボルソナロ氏はトランプ前大統領の熱心な支持者とあってバイデン氏との関係が不安視もされたが、ボルソナロ氏は会談前、「トランプ氏はもう過去の大統領。今の大統領はバイデン氏だ」と語り、「両国の関係を深めたい」との発言を取材陣に対して行っていた。
 二国会談でバイデン氏が特に重きを置いたのは環境問題だった。バイデン氏は、アマゾン保護は世界的な環境問題で、非常に重要な意味を持っていることを強調し、「助けが必要なら援助も辞さない」と語った。
 ボルソナロ氏はこれに関し、「これまで何度もアマゾンの主権を脅かされていると感じていた」と語った上で、「国際的な責任は理解しているし、その努力もしている。ブラジルは近い将来、世界に対し、きれいな水力発電エネルギーも供給できるはずだ」と答えた。「アマゾンの85%は保護しているし、伐採規制も厳しくやっている」とも言った。
 だが、ボルソナロ氏が大統領に就任した2019年以降、ブラジルの森林伐採は国際問題となっており、アマゾンの森林伐採はこの4月も1012平方キロを記録。この値は昨年4月の伐採量の倍で、増加傾向が続いていることを示している。
 他方、法定アマゾンで活動中だった英国人ジャーナリストとブラジル人の先住民活動家が行方不明になったことが国際問題となり、米国の連邦議員などがバイデン氏に対し、「ボルソナロ氏をこの件で追及せよ」と圧力をかけていた件に関しては、触れられなかった。
 ボルソナロ氏はバイデン氏に対し、10月に行われる大統領選についても話した。ボルソナロ氏は、監視可能な投票を擁護しつつ、「ブラジルの選挙システムを信頼している」「私は民主的な方法で選ばれた。去る時も民主的な形で権力の座から降りる」と語り、注目された。
 ボルソナロ氏は連日のように現行の電子投票システムの信憑性を疑う発言を繰り返し、民主主義への攻撃者として国際的にも知られているからだ。また、現状の世論調査で劣勢のボルソナロ氏が敗れた場合、その結果を同氏が民主的なものとして認めるかという点も疑問視されている。
 ボルソナロ大統領は食糧問題に関しても、「ブラジルは食糧供給国で、10億人の人々に食糧を提供している」と主張した。
 ウクライナ危機に関しても、バイデン大統領が主導する形の「解決努力に対する応援を惜しまない」「世界が早く通常通りに戻ることを願う」と語った。


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