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《ブラジル》教育省スキャンダルに上院でCPI開設要請提出=最高裁も事態を重く見る=バラマキで回避狙う大統領

2022年6月30日

CPI開設を嘆願する上議たち(Alessandro Dantas)
CPI開設を嘆願する上議たち(Alessandro Dantas)

 教育省の国立教育促進基金(Fnde)で福音派ロビイストの斡旋による不当優遇や賄賂要請が起きていたというスキャンダルを巡り、上院で議会調査委員会(CPI)の開設要請が提出された上、最高裁がボルソナロ大統領の関与を強く疑うなど、連邦政府にとって苦しい展開となってきている。28、29日付現地紙、サイトが報じている。
 28日、上院の野党議員たちはロドリゴ・パシェコ上院議長に対し、教育省のスキャンダルに関するCPI開設を求めた。CPIは上院の場合、開設要請書には総議員数81人の3分の1の27人以上の署名で開設が可能だが、31人の署名が添えられていた。
 発起人のランドルフ・ロドリゲス上議(レデ)は、「ミルトン・リベイロ前教育相の録音記録を聞く限り、大統領が連邦警察の捜査に干渉していたことが疑われるのは明白だ」として、開設を強く迫っている。
 ランドルフ上議は昨年の上院でのコロナ禍CPIでも副委員長をつとめている。これがもし開設されれば、コロナ禍CPI同様、選挙直前の大統領には大きなダメージを与えることが予想される。
 パシェコ上院議長も開設に対して前向きな姿勢を見せている。ただ、その一方で連邦政府は、与党側の議員たちに対して議員手当のバラマキで阻止を狙っている。メデイアによると、リベイロ氏が22日に逮捕されてからの2日間だけで、予算案審議時の報告官の裁量で払われる秘密予算の年間許容額165億レアルの20%にあたる33億レアルの支払いが行われたとされている。
 ボルソナロ大統領に対する圧力は上院だけではない。最高裁でもカルメン・ルシア判事が28日、教育省スキャンダルに関し、「ボルソナロ氏の関与が疑われる非常に大きな形跡がある」との見解を表明した。同判事も、リベイロ氏が9日に「大統領から捜査を受けるかもしれないとの連絡が来た」と語った録音の内容をかなり重く受け止めている。
 これは、イスラエル・バチスタ下議(ブラジル社会党・PSB)が最高裁に対して起こした、この問題でのボルソナロ大統領の捜査依頼に応えたものだった。カルメン判事は27日、連邦検察庁に対し、ボルソナロ氏に関して捜査の必要があるかの分析を行うよう命じた。
 また、カルメン判事の発言の数時間後、今度はアレッシャンドレ・デ・モラエス判事が連邦検察庁に対し、大統領が連邦警察の捜査を干渉しようとしたかについての見解を求めた。モラエス判事の場合は、上院教育省CPI発起人のランドルフ・ロドリゲス上議の訴えに応えたものだ。
 9日の盗聴記録に出てきたリベイロ氏と大統領の通話は、連邦警察の盗聴記録には出てきていない。これに関し、リベイロ氏の逮捕を担当したブルーノ・カランドリーニ捜査官は、「録音されるのを避けるために、携帯電話ではなくアプリ通話が使われた可能性があるのではないか」との見解を持っている。


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