《リオ州》知事選でPT支部がフレイショ支持撤回=モロンの上議選出馬めぐり=ルーラの選挙戦にも影響か

労働者党(PT)リオ州支部が、確定と思われていたリオ州知事選でのマルセロ・フレイショ下議(ブラジル社会党・PSB)の支持を、上議候補の選出を理由に撤回した。フレイショ氏はリオ州知事選で勝利する可能性も高い候補で、同州におけるルーラ氏の大統領選にも影響が出かねない。2、3日付現地紙、サイトが報じている。
2016年のリオ市長選に急進左派の社会主義自由党(PSOL)から出馬し、次点となって以来、フレイショ氏の存在は左派内で大きなものとなっていた。同氏は2020年のリオ市長選でもPTを含む左派大型連立を望んだが、まとまらずに出馬を断念。今回は自身がPSBに移籍し、再度PTとの連立を希望したが、今回もまとまらず、難航を極めている。
それはPSBが、フレイショ氏の上議候補にアレッサンドレ・モロン下議を選んだためだ。モロン氏はSNSのフォロワーも多く、地元では人気もあるが、ルーラ氏が580日間の服役にまで至ったラヴァ・ジャット作戦の熱心な支持者であったため、PT側が強い難色を示していた。
PT側は上議候補にアンドレ・セシリアーノ州議を据えることを譲っていない。先月7日には、セシリアーノ氏とモロン氏の双方の支持者がリオ市内のバーで乱闘騒ぎを起こす事態も起きていた。
PT側はなんとかモロン氏の出馬を翻意させようと、ペルナンブッコ州のPSB本部に働きかけた。先週の報道では、同本部がモロン氏の翻意を約束したと報じられていた。
だが、その後もPSB側はモロン氏の上議選出馬を取り消さないため、PTのリオ州支部が反発を示し、3日に行われた支部会議でフレイショ氏への支援を撤回することを決めた。この結果を受け、PTは全国的に審議を行う必要に迫られている。
上議選の世論調査によれば、モロン氏の支持は9%ほどで、元サッカーのスター選手のロマーリオ氏(自由党・PL)、元リオ市長のマルセロ・クリヴェラ氏(共和者・RP)に次いで3位。セシリアーノ氏は4%ほどだから、この数字ではモロン氏が有利に見える。
だが、PTのリオ州支部としては、モロン氏への反感に加え、同州内の中道票がもっと欲しいという思惑もある。同支部は、エドゥアルド・パエス・リオ市長(社会民主党・PSD)が推すことを既に明らかにしているロドリゴ・ネーヴェス氏(民主労働党・PDT)をルーラ氏が推すことを求めている。
リオ州知事選の世論調査では、現職のクラウジオ・カストロ氏(PL)が24%、フレイショ氏が22%と大接戦で、約6%の支持のネーヴェス氏は3位争いの最中だ。
フレイショ氏の支持者はかねてからルーラ氏支持も強く、票が離れにくいため、より広い票を求めるなら中道という考え方をPTリオ州支部は行っているようだ。ただ、ルーラ氏は早い段階からフレイショ氏支持を約束しており、それを裏切る形になりかねないことがフレイショ氏の支持者にどういう影響を与えるかも注目される。